株テーマ:新型コロナ治療薬の関連銘柄

新型コロナ治療薬(商品名)

厚労省は新型コロナ治療薬開発のために製薬4社(グラクソ・スミスクライン(GSK)、中外製薬、ファイザー、小野薬品)に20億円を補助すると、読売新聞が報じている。無症状や軽症段階から使える薬の実用化で重症化を防ぐ目的で、臨床試験や承認手続き費用として最大6億円を補助する。


●高度免疫グロブリン
武田薬品工業は、新型コロナウイルスの治療薬として、血漿分画製剤の高度免疫グロブリンを開発する。2020年4月には、CSLベーリングやバイオテスト、BPL、LFB、オクタファルマとの協業を発表。5月には新たに4社が参画し、10社協業体制とした。高度免疫グロブリン製剤の開発には、新型コロナから回復し、新型コロナウイルスに対する抗体を持つ多くの患者から血漿の提供を受ける必要があるため、協業でいち早い実用化を目指す。

2020年10月には米NIHが実施する臨床第3相試験で第1例目の患者が登録された。臨床試験には日本を含む18か国の500人が参加し、一部の治験結果は2021年3月末までに出る見通し。


●アクテムラ(トシリズマブ)
中外製薬の関節リウマチ治療薬「アクテムラ(トシリズマブ)」は、ウイルスの増殖を抑える効果はないが、新型コロナウイルスは重症化する場合、免疫暴走が起こるとされており、免疫暴走を生み出すインターロイキン6の働きを抑える効果があると期待される。

スイスのロシュ傘下のジェネンテックが2020年3月から臨床第3相試験を開始。2020年7月には臨床状態の改善という主要評価項目、及び患者死亡率の減少という重要な副次評価項目を達成できなかったと発表した。ロシュは「レムデシビル」との併用を含む臨床試験を継続するとしている。また、2020年9月には人工呼吸器の装着や死亡に至る割合をプラセボに比べ、有意に44%減少させ、主要評価項目を達成したと発表した。死亡率には統計学的な差は認められなかった。

日本では、2020年4月に第3相臨床試験を実施すると発表。2021年中の承認申請を目指す。


●フオイパン(カモスタット)
フオイパン(カモスタット)は、ドイツの基礎的な実験で、抗ウイルス活性が指摘されている。国内では小野薬品工業が膵炎治療薬として製造販売している。小野薬品工業は、2020年6月に新型コロナウイルスに対する臨床試験を開始したと発表。2020年11月には最終治験を開始した。※小野薬品工業はフオイパンの開発を中止した。国内第3相試験で新型コロナに対する有効性が確認できなかった。


●バムラニビマブ
2020年11月9日、FDA(米食品医薬品局)は、イーライリリーのモノクローナル抗体薬「バムラニビマブ」について、新型コロナウイルス治療薬として緊急使用許可を出した。軽度から中程度の症状の患者が対象。


●シクレソニド(オルベスコ)
帝人子会社の帝人ファーマが製造する喘息治療薬「シクレソニド」を投与した3例で、新型肺炎の症状が改善したとされており、続伸している。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客のうち、73歳女性の症例では2日程度で症状が改善し、ウイルス検査が陰性となり、退院に至ったという。他の例では78歳男性、67歳女性に増量して継続投与中とのこと。国立感染症研究所は、新型コロナウイルスが、100分の1程度に減少し、ウイルスの増殖を抑えることを実験で確認した。


●カレトラ(ロピナビル・リトナビル)
カレトラは米アッヴィが開発したロピナビルとリトナビルを成分に含む、抗HIV感染症薬。ウイルスの増殖を抑える薬剤として、当初から中国で新型コロナウイルスによる肺炎患者に投与され、国内でも国立国際医療研究センターが複数の患者に投与している。


●ケブザラ
仏サノフィと米リジェネロンが、関節リウマチ治療薬のケブザラを最大400人の新型コロナによる肺炎患者に投与する。国内では旭化成ファーマが販売している。重症患者に作用していると見られるインターロイキン6を阻害する効果が期待されている。


●リン酸クロロキン
中国では抗マラリア薬のリン酸クロロキンで治療効果があったという報告もある。国内では富士フイルム和光純薬が製造販売している。


●HLCM051
ヘリオスは、2020年4月に日本での体性幹細胞再生医薬品「HLCM051」を用いた急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした第2相試験で、新型コロナウイルス肺炎由来のARDS患者の組み入れを開始すると発表した。新型コロナウイルス肺炎由来のARDS患者約5名を組み入れ、安全性の検討を行う。7月29日に組み入れが開始された。


●イベルメクチン(ストロメクトール)
米国のチームは抗寄生虫薬の「イベルメクチン」に死亡率を下げる効果があると報告した。豪州のチームは、1回の投与で、1-2日以内にウイルスの増殖を抑制できることを細胞実験で確認した。国内では米アーバー社から科研製薬が独占販売の権利を取得している。

2020年9月17日、北里大学病院が新型コロナ治療薬として、イベルメクチンの治験を開始した。北里大学の大村智特別栄誉教授が開発したもので、寄生虫が引き起こす感染症の特効薬と知られ、これまでに重篤な副作用は確認されていない。軽症から中等症となった20歳以上の患者240人に対して、2021年3月までに有効性や安全性を確認する。イベルメクチンを使った新型コロナ感染症の臨床試験は世界で18例あまりが確認されている。

米ユタ大学の研究によると、患者全体の死亡率は8.5%から1.4%に低下し、うち人工呼吸器が必要な重症患者の場合の死亡率は、21.3%から7.3%に改善したという例もあるが、FDAは承認していない。

ボリビアやペルーでは症状の改善が報告され、バングラデシュ、イラン、イラク、エジプト、トルコ、インドの治験では非投与群の死亡率が9.5%に対して投与群では2.1%に低下したことが報告されている。

北里研究所とMeiji Seika ファルマは、次世代型イベルメクチン誘導体による新型コロナに対する画期的治療薬創出と抗ウイルス薬の基盤構築を目的とした共同研究開発を開始する。北里研究所では20年9月より、イベルメクチンの医師主導治験を実施しており、既存承認薬としてのイベルメクチンとは別のイベルメクチン誘導体を用いた創薬を目的とし、研究開発期間は2021年5月から8年間を予定している。イベルメクチンよりも10倍以上の抗ウイルス活性を目指している。

興和は、2021年7月1日、新型コロナ患者を対象にイベルメクチンを投与する日本での臨床試験を開始すると発表した。



●花王
花王と北里大学は新型コロナウイルスに対して感染抑制能を有するVHH抗体(ラクダ科動物由来の抗体)の取得に成功した。新型コロナウイルスと特異的に結合する抗体は免疫と関わるため、新型コロナウイルス感染症の治療薬や診断薬の開発に繋がることが期待される。VHH抗体は一般的な抗体の10分の1の大きさで安定性が高く、微生物による低コスト生産が可能とされる。


●抗HIV(エイズ)薬「ネルフィナビル」と白血球減少症治療薬「セファランチン」の併用療法
国立感染症研究所や東京理科大学は、細胞実験やコンピューターによる解析で併用療法が新型コロナ感染症に効果があることを確かめた。患者に投与するシミュレーションで予測では、ウイルス量が約93%減少し、快方までの期間が5日半短いという。セファランチンはウイルスが細胞内に入り込むの防ぎ、ネルフィナビルは増殖ための遺伝子複製を防ぐ二重の阻害効果の可能性が出ている。

ネルフィナビルは抗HIV薬「ビラセプト錠」として、JTグループの鳥居薬品が販売していたが、現在の契約状況は不明。抗HIV薬ではカレトラ(ロピナビル・リトナビル)も国内患者に投与されている。セファランチンは化研生薬(非上場)が国内外における唯一の販売会社で沢井製薬グループの傘下。

※関連銘柄
2914JT
4551鳥居薬品
4555沢井製薬


●リボミック
リボミックは、2020年5月12日に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質や人の細胞表面にある受容体に結合し、ウイルスが結合することを阻害するアプタマーの創製を開始したと発表した。得られたアプタマーのウイルス増殖阻害効果を細胞と動物モデルを用いて検証する。2020年8月にはヒット化合物の取得に成功したと発表した。


●エリトラン
重症敗血症治療剤として開発したものの、主要評価項目を達成できず、2011年に開発を中止した重症敗血症治療薬「エリトラン」について、新型コロナウイルス感染症に効果があるかどうか臨床試験を実施する。6月にも治験を始め、順調なら年末に結果が判明する。対象は入院している重症患者で、過剰な免疫反応「サイトカインストーム」を抑える作用を確認する。新型コロナでは免疫暴走による呼吸障害が確認されており、治療効果が期待される。新型コロナ治療薬開発の国際ネットワークに参画し、世界で400人規模の治験を実施する。


●レロンリマブ
AGC子会社の米AGCバイオロジクスが原薬製造を受託している、米サイトダインの抗HIV薬「レロンリマブ」を新型コロナ治療薬として、FDAが第2相臨床試験実施を承認した。「レロンリマブ」はサイトカインストームを抑制する効果があるとされ、重症患者に投与して効果が確認されている。


●テラ
2020年4月27日、テラはセネジェニックス・ジャパンは新型コロナ肺炎に対する間葉系幹細胞を用いた治療法の開発に関する共同研究契約を締結。セネジェニックス・メキシコが現地で2ヶ月の予定で、臨床試験を開始した。臍帯由来間葉系幹細胞を1億5000万細胞数を1回投与する方法で、50症例を集める予定。5月26日には9例を登録していた。5月28日には、第一例目の患者は肺炎と呼吸機能の改善が認められたと、発表している。9月2日にはメキシコイダルゴ州で薬事承認を取得した。メキシコ連邦政府による薬事承認を目指す。


●日本新薬
核酸医薬品を新型コロナウイルス感染症治療薬として開発する研究に着手し、今年度内に候補化合物を見いだすことを目標としている。


●塩野義製薬
塩野義は北海道大と共同で重症化を防ぐ新型コロナ治療薬を開発している。4月に低分子化合物のスクリーングを実施し、複数のヒット化合物を同定しており、最短で2020年度内の臨床試験の開始を表明していた。6月1日の中期経営計画説明会で手代木社長は、国内初の承認薬となった「レムデシビル」よりも効果が高いことを確認し、年内に治験開始を前倒しすることを表明した。10月30日、評価試験で優位性が確認できず、治験を延期することとなった。

塩野義が創製したDP1受容体拮抗薬S-555739は当初アレルギー性鼻炎を対象に開発していたが、これを中止し、重症患者の多い欧米で臨床試験をするために、米バイオエイジ社に重症化抑制に係る開発・販売権を導出する契約を締結している。既に第2相臨床試験に進んでおり、開発進展に応じたマイルストーンを受け取ることになっており、今後の発表が期待される。政府の特例承認措置については、バイオエイジの試験結果を利用して国内申請を速める可能性もありそうだ。


●ペプチドリーム
米メルクと、新型コロナウイルスと将来的に変異しうるコロナウイルス全般に対して、特殊ペプチドを用いた治療薬で共同研究開発を行う。両社は2015年4月に締結した創薬共同研究開発プログラムを拡大し、ペプチドリームはメルクより契約一時金及び研究開発支援金等を受領する。目標の進捗状況に応じてマイルストーンが発生し、製品化後は売上に応じたロイヤリティーも受け取る。

ペプチドリームは、富士通・竹中工務店・みずほキャピタルなどと、新型コロナウイルス感染症治療薬の開発を目的とした新会社「ペプチエイド」を設立する。富士通とは高速コンピューター技術「デジタルアニーラ」を活用し、創薬の候補化合物となる環状ペプチドの安定構造探索を12時間以内に高精度で実施することに成功しており、新型コロナの治療薬開発が期待されていた。


●オンコリスバイオファーマ
2020年6月に鹿児島大学と特許譲受に関する契約を締結し、新型コロナウイルスの治療薬「OBP-2011」の開発に着手。鹿児島大学は新型コロナウイルスの原因ウイルスに対して強い増殖抑制効果を持つ化合物を特定。培養細胞を用いた実験では、承認済みの「レムデシビル」と同等又はそれ以上の活性を示すことを確認したとしている。

オンコリスバイオファーマは、作用機序の解明や大量合成法の開発を行い、前臨床試験を実施。2022年上期までOBP-2011の前臨床試験及び治験薬製造のGMP製造を完了し、その後に早期に臨床試験の開始を目指す。臨床試験の開始に必要な治験薬原薬の製造は岩城製薬に、治験薬製剤のGMP製造はスペラファーマに委託する。OBP-2011はブラジル型や英国型などの新型コロナの変異株やSARS、MERSに対しても効果が期待でき、経口投与が可能であることも確認されている。


●カネカ
2020年6月に国立感染症研究所と進める新型コロナウイルス感染症の治療用ウイルス中和抗体開発で、AMEDの採択を受け、開発を加速。東京理科大学と共同開発した体外免疫法を用いることで、新型コロナウイルスやその変異型に対する抗体医薬品を開発する計画で、2021年度中の臨床試験開始を目指す。


●エーザイ
エーザイが重症セプシスの治療薬として開発した「エリトラン」が、新型コロナ治療薬として複数の国際臨床試験サイトで評価される最初の免疫調節療法治験薬として選定された。米国内の複数の医療センターで中等度から重度の患者に投与され、有効性を評価する。エリトランの安全性は、重症セプシスを対象とした大規模な臨床試験で確認されている。エリトランは、サイトカインストームを抑制し、肺などの臓器損傷を保護する役割が期待される。

AMED(日本医療研究開発機構)の「新型コロナウイルス感染症に対する治療薬開発」にエーザイを代表とする研究機関が採択された。エーザイで治験実績のあるTLR4拮抗剤エリトランと、子会社のカン研究所が開発した抗FKN(フラクタルカイン)抗体E6011の評価を行う。

2020年10月27日、エーザイはエリトランの最終治験を米国で開始し、日本でも実施を検討すると表明した。


●ロート製薬
ロート製薬は間葉系幹細胞を新型コロナ重症者に投与する治験を2020年8月に開始する予定。間葉系幹細胞は骨や血管を再生する力があり、米国の臨床試験でも成功例がある。


●メフロキン
国立感染症研究所は、抗マラリア薬の「メフロキン」が、新型コロナ治療薬の可能性があるとして、治験の準備を始めた。メフロキンは「メファキン ヒサミツ」として、久光製薬が販売している。

●ステムリム
新型コロナ肺炎患者を対象とした生体組織再生誘導医薬開発が、AMEDの治療薬開発(3次公募)に採択された。塩野義製薬へ導出済みの再生誘導医薬開発品レダセムチドで、後遺症リスクを軽減する再生誘導医薬開発を目指す。

●アンジェス
カナダのバイオ医薬品企業であるバソミューンと共同開発している新型コロナ治療薬「AV-001」について、FDAから臨床試験開発許可を受けた。「AV-001」は、中等度から重度の新型コロナ治療薬として開発されている。

●中外製薬
新型コロナに対する経口薬AT-527について日本における独占的開発権および販売権をロシュより取得した。現在軽症から中等症患者に対する第2相臨床試験が進行中で、2021年上半期までに第3相臨床試験を開始する予定。2021年7月19日に新型コロナ治療薬「抗体カクテル療法」の製造販売の特例承認を取得した。


●ロート製薬
ロート製薬は、新型コロナ治療薬候補のキノロン系化合物について、バイオミメティクスシンパシーズとライセンス契約を締結し、共同開発する。キノロン系化合物は、新型コロナウイルスが自身のスパイクタンパク質を介してヒト細胞への侵入と感染を成立させるために重要遺伝子発現を抑制する画期的なものとされている。バイオミメティクスシンパシーズは、キノロン系化合物以外に、インスリン、HGFたんぱく質の3種を有望な治療薬候補と特定している。

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