株テーマ:新型コロナ治療薬候補の関連銘柄

新型コロナ治療薬(商品名)

●シクレソニド(オルベスコ)
帝人子会社の帝人ファーマが製造する喘息治療薬「シクレソニド」を投与した3例で、新型肺炎の症状が改善したとされており、続伸している。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客のうち、73歳女性の症例では2日程度で症状が改善し、ウイルス検査が陰性となり、退院に至ったという。他の例では78歳男性、67歳女性に増量して継続投与中とのこと。国立感染症研究所は、新型コロナウイルスが、100分の1程度に減少し、ウイルスの増殖を抑えることを実験で確認した。


●高免疫グロブリン
武田薬品工業は、新型コロナウイルス(COVID-19)の治療薬として、血漿分画製剤の高免疫グロブリンの開発を開始する。武田の持つTAK-888とは別の薬剤の可能性もある。高免疫グロブリンは重症急性ウイルス性呼吸器感染症の治療薬として有効で新型コロナの治療薬となる可能性がある。中国では新型コロナウイルスに感染し治癒した患者から提供を受けた血漿で症状が改善したという報告もある。

武田は、高度免疫グロブリン製剤の開発加速を目指し、世界大手のCSLベーリングや、バイオテスト、BPL、LFB、オクタファルマとの協業を4月6日に発表した。高度免疫グロブリン製剤の開発には、新型コロナから完全に回復し、新型コロナウイルスに対する抗体を持つ多くの患者から血漿の提供を受ける必要があるため、協業によりいち早い実用化を目指す。

5月8日には4社が新たに参画し10社の協業体制とし、製品として生産を開始するために回復者からの血漿採取を急いでいる。さらにNIH(米国国立衛生研究所)の国立アレルギー感染症研究所と協力し、高度免疫グロブリン療法の安全性や有効性を確認する。グローバルな治験は今夏を見込んでいる。

5月13日の決算説明会で、「TAK-888」について、年内の国内申請を目指すことを明らかにした。


また、武田薬品は、2020年8月4日、アッヴィやアムジェンなどと米国で新型コロナウイルス感染症向けの臨床試験に第1例目の患者を登録したと発表した。武田薬品の遺伝子性血管性浮腫の発作を抑える「オテズラ」や「フィラジル」など3種類の有効性を評価する。前臨床段階にある1900品目の候補物質の中から有望物質を特定した。


●アクテムラ(トシリズマブ)
中外製薬は、スイスのロシュが関節リウマチ治療薬「アクテムラ(トシリズマブ」)を、新型コロナウイルス感染症による重症肺炎を対象に臨床第3相試験を開始すると発表した。米国中心に330人の患者に投与される予定で、既にFDA(米食品医薬品局)の承認も得ている。2020年4月8日には国内第3相臨床試験を実施すると発表。4月8日に医薬品医療機器総合機構に治験届を提出。今後試験の詳細を確認の上、速やかな患者登録の開始を目指す。

中外製薬は関節リウマチ治療薬「アクテムラ(トシリズマブ)」の国内治験を始めると4月に発表したが、予定通り5月15日から重篤肺炎患者10人を対象に治験を始めたようだ。ノーベル医学生理学賞の本庶京大特別教授も新型コロナ対策の緊急提言で、急性期には「アビガン」、重症肺炎時の炎症反応の暴走時にはアクテムラを導入すべきと、訴えていた。第3相臨床試験に進むことで、年内の製造販売承認を目指す。

戦略的アライアンスを締結しているスイスのロシュ社傘下のジェネンテック社が3月25日から治験を開始しており、330人と規模も大きいことから期待が高まっている。アクテムラにはウイルスの増殖を抑える効果はないが、重症化して死に至る場合は、免疫の暴走が起こるとされており、免疫暴走を産み出すインターロイキン6の働きを抑える効果がある。ロシュのアクテムラ売上は3割以上増加しており、治験の成功を見据えて、世界7工場で増産体制を整備している。6月にも治験結果が出る見込みで、中外製薬にはロイヤリティ収入が期待される。

2020年7月29日、ロシュが実施していたモノクローナル抗体「アクテムラ」の新型コロナ重症者に対する第3相臨床試験で、臨床状態の改善という主要評価項目、および患者死亡率の減少という重要な副次評価項目を達成出来なかったと発表した。ロシュは、「レムデシビル」との併用を含む臨床試験を継続するとしている。

2020年9月18日、ロシュはアクテムラの投与により、人工呼吸器の装着や死亡に至る割合をプラセボに比べ、有意に44%減少させ、主要評価項目を達成したと発表した。死亡率に統計学的な差は認められなかった。


●カレトラ(ロピナビル・リトナビル)
カレトラは米アッヴィが開発したロピナビルとリトナビルを成分に含む、抗HIV感染症薬。ウイルスの増殖を抑える薬剤として、当初から中国で新型コロナウイルスによる肺炎患者に投与され、国内でも国立国際医療研究センターが複数の患者に投与している。


●ケブザラ
仏サノフィと米リジェネロンが、関節リウマチ治療薬のケブザラを最大400人の新型コロナによる肺炎患者に投与する。国内では旭化成ファーマが販売している。重症患者に作用していると見られるインターロイキン6を阻害する効果が期待されている。


●リン酸クロロキン
中国では抗マラリア薬のリン酸クロロキンで治療効果があったという報告もある。国内では富士フイルム和光純薬が製造販売している。


●フオイパン(カモスタット)
ドイツの基礎的な実験で、抗ウイルス活性が指摘されている。国内では小野薬品工業が膵炎治療薬として製造販売している。2020年6月5日に新型コロナウイルスに対する臨床試験を開始したと発表した。


●HLCM051
ヘリオスは、2020年4月に日本での体性幹細胞再生医薬品「HLCM051」を用いた急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とした第2相試験で、新型コロナウイルス肺炎由来のARDS患者の組み入れを開始すると発表した。新型コロナウイルス肺炎由来のARDS患者約5名を組み入れ、安全性の検討を行う。7月29日に組み入れが開始された。


●イベルメクチン(ストロメクトール)
米国のチームは抗寄生虫薬の「イベルメクチン」に死亡率を下げる効果があると報告した。豪州のチームは、1回の投与で、1-2日以内にウイルスの増殖を抑制できることを細胞実験で確認した。国内では米アーバー社から科研製薬が独占販売の権利を取得している。

2020年9月17日、北里大学病院が新型コロナ治療薬として、イベルメクチンの治験を開始した。北里大学の大村智特別栄誉教授が開発したもので、寄生虫が引き起こす感染症の特効薬と知られ、これまでに重篤な副作用は確認されていない。軽症から中等症となった20歳以上の患者240人に対して、来年3月までに有効性や安全性を確認する。イベルメクチンを使った新型コロナ感染症の臨床試験は世界で18例あまりが確認されている。

米ユタ大学の研究によると、患者全体の死亡率は8.5%から1.4%に低下し、うち人工呼吸器が必要な重症患者の場合の死亡率は、21.3%から7.3%に改善したという例もある。


●花王
花王と北里大学は新型コロナウイルスに対して感染抑制能を有するVHH抗体(ラクダ科動物由来の抗体)の取得に成功した。新型コロナウイルスと特異的に結合する抗体は免疫と関わるため、新型コロナウイルス感染症の治療薬や診断薬の開発に繋がることが期待される。VHH抗体は一般的な抗体の10分の1の大きさで安定性が高く、微生物による低コスト生産が可能とされる。


●抗HIV(エイズ)薬「ネルフィナビル」と白血球減少症治療薬「セファランチン」の併用療法
国立感染症研究所や東京理科大学は、細胞実験やコンピューターによる解析で併用療法が新型コロナ感染症に効果があることを確かめた。患者に投与するシミュレーションで予測では、ウイルス量が約93%減少し、快方までの期間が5日半短いという。セファランチンはウイルスが細胞内に入り込むの防ぎ、ネルフィナビルは増殖ための遺伝子複製を防ぐ二重の阻害効果の可能性が出ている。

ネルフィナビルは抗HIV薬「ビラセプト錠」として、JTグループの鳥居薬品が販売していたが、現在の契約状況は不明。抗HIV薬ではカレトラ(ロピナビル・リトナビル)も国内患者に投与されている。セファランチンは化研生薬(非上場)が国内外における唯一の販売会社で沢井製薬グループの傘下。

※関連銘柄
2914JT
4551鳥居薬品
4555沢井製薬


●リボミック
リボミックは、2020年5月12日に新型コロナウイルスのスパイクタンパク質や人の細胞表面にある受容体に結合し、ウイルスが結合することを阻害するアプタマーの創製を開始したと発表した。得られたアプタマーのウイルス増殖阻害効果を細胞と動物モデルを用いて検証する。2020年8月にはヒット化合物の取得に成功したと発表した。


●エリトラン
重症敗血症治療剤として開発したものの、主要評価項目を達成できず、2011年に開発を中止した重症敗血症治療薬「エリトラン」について、新型コロナウイルス感染症に効果があるかどうか臨床試験を実施する。6月にも治験を始め、順調なら年末に結果が判明する。対象は入院している重症患者で、過剰な免疫反応「サイトカインストーム」を抑える作用を確認する。新型コロナでは免疫暴走による呼吸障害が確認されており、治療効果が期待される。新型コロナ治療薬開発の国際ネットワークに参画し、世界で400人規模の治験を実施する。


●レロンリマブ
AGC子会社の米AGCバイオロジクスが原薬製造を受託している、米サイトダインの抗HIV薬「レロンリマブ」を新型コロナ治療薬として、FDAが第2相臨床試験実施を承認した。「レロンリマブ」はサイトカインストームを抑制する効果があるとされ、重症患者に投与して効果が確認されている。


●テラ
2020年4月27日、テラはセネジェニックス・ジャパンは新型コロナ肺炎に対する間葉系幹細胞を用いた治療法の開発に関する共同研究契約を締結。セネジェニックス・メキシコが現地で2ヶ月の予定で、臨床試験を開始した。臍帯由来間葉系幹細胞を1億5000万細胞数を1回投与する方法で、50症例を集める予定。5月26日には9例を登録していた。5月28日には、第一例目の患者は肺炎と呼吸機能の改善が認められたと、発表している。9月2日にはメキシコイダルゴ州で薬事承認を取得した。メキシコ連邦政府による薬事承認を目指す。


●日本新薬
核酸医薬品を新型コロナウイルス感染症治療薬として開発する研究に着手し、今年度内に候補化合物を見いだすことを目標としている。


●塩野義製薬
塩野義は北海道大と共同で重症化を防ぐ新型コロナ治療薬を開発している。4月に低分子化合物のスクリーングを実施し、複数のヒット化合物を同定しており、最短で2020年度内の臨床試験の開始を表明していた。6月1日の中期経営計画説明会で手代木社長は、国内初の承認薬となった「レムデシビル」よりも効果が高いことを確認し、年内に治験開始を前倒しすることを表明した。


●ペプチドリーム
米メルクと、新型コロナウイルスと将来的に変異しうるコロナウイルス全般に対して、特殊ペプチドを用いた治療薬で共同研究開発を行う。両社は2015年4月に締結した創薬共同研究開発プログラムを拡大し、ペプチドリームはメルクより契約一時金及び研究開発支援金等を受領する。目標の進捗状況に応じてマイルストーンが発生し、製品化後は売上に応じたロイヤリティーも受け取る。


●オンコリスバイオファーマ
2020年6月に鹿児島大学と特許譲受に関する契約を締結し、新型コロナウイルスの治療薬開発に着手。鹿児島大学は新型コロナウイルスの原因ウイルスに対して強い増殖抑制効果を持つ化合物を特定。培養細胞を用いた実験では、承認済みの「レムデシビル」と同等又はそれ以上の活性を示すことを確認したとしている。オンコリスバイオファーマは、作用機序の解明や大量合成法の開発を行い、前臨床試験を実施。2021年中の臨床試験開始を目指す。


●カネカ
2020年6月に国立感染症研究所と進める新型コロナウイルス感染症の治療用ウイルス中和抗体開発で、AMEDの採択を受け、開発を加速。東京理科大学と共同開発した体外免疫法を用いることで、新型コロナウイルスやその変異型に対する抗体医薬品を開発する計画で、2021年度中の臨床試験開始を目指す。


●エーザイ
エーザイが重症セプシスの治療薬として開発した「エリトラン」が、新型コロナ治療薬として複数の国際臨床試験サイトで評価される最初の免疫調節療法治験薬として選定された。米国内の複数の医療センターで中等度から重度の患者に投与され、有効性を評価する。エリトランの安全性は、重症セプシスを対象とした大規模な臨床試験で確認されている。エリトランは、サイトカインストームを抑制し、肺などの臓器損傷を保護する役割が期待される。


●ロート製薬
ロート製薬は間葉系幹細胞を新型コロナ重症者に投与する治験を2020年8月に開始する予定。間葉系幹細胞は骨や血管を再生する力があり、米国の臨床試験でも成功例がある。


●メフロキン
国立感染症研究所は、抗マラリア薬の「メフロキン」が、新型コロナ治療薬の可能性があるとして、治験の準備を始めた。メフロキンは「メファキン ヒサミツ」として、久光製薬が販売している。

●ステムリム
新型コロナ肺炎患者を対象とした生体組織再生誘導医薬開発が、AMEDの治療薬開発(3次公募)に採択された。塩野義製薬へ導出済みの再生誘導医薬開発品レダセムチドで、後遺症リスクを軽減する再生誘導医薬開発を目指す。

新型コロナ治療薬候補 関連銘柄

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アビガン 新型コロナ治療薬候補 デキサメタゾン ナファモスタット レムデシビル

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