株テーマ:ドローン開発の関連銘柄

産業用ドローンでは、インフラ点検や物流、防災・災害支援分野でドローンに関連する法令がガイドラインなどの整備や実証実験が行われており、市場環境整備が進む。政府は2022年度にも操縦者が機体を直接確認できない状態でもモニターなどを通じて飛行できる「目視外飛行」の実現を目指しており、ドローン市場の拡大が期待される。

また、ドローンのセキュリティに対応する技術開発も推進されている。政府は2021年度から政府が購入するドローンのセキュリティ強化を進める。政府機関がドローンを購入する際には内閣官房の審査を受ける必要があり、外部に業務委託する場合も適用される。安全保障や発電所、鉄道など重要インフラの点検などが想定され、世界シェア70%を占める中国製ドローンは実質的に排除されることになりそうだ。


ソニーは、デジタルカメラなどに使われる目の役割を担うセンサーをドローンに応用し、人の目では判断しがたい災害現場やトンネルの点検、農作業での利用を見込む。2015年にソニーモバイルとZMPの合弁会社「エアロセンス」を設立。ソニーのカメラ・センシング・通信ネットワーク・ロボット分野における技術を提供。2016年からはUAV(自律無人航空機)の量産体制を確立し、法人向けに提供を開始した。

また、2020年11月にはドローンの新たなプロジェクトを開始。ドローン開発ブランドを「Airpeak(エアピーク)」とし、自社単独でドローン事業に参入する。映像クリエイターの支援やエンタテインメントの発展、各種産業での効率化・省力化への寄与を目指す。第1弾としてプロフェッショナル向けドローン「Airpeak S1」を2021年9月に発売する。最高速度は時速90キロメートル、最高飛行時間は約22分で、ソニー製イメージセンサーを内蔵したステレオカメラを機体5方向に配置し、ソニー製ビジョンセンシングプロセッサーで高速処理する。店頭予想価格は110万円とみられている。ドローンに関する日本最大規模の国際展示会「Japan Drone(ジャパンドローン)2021」に初出展した。

東芝エネルギーシステムズは、2021年10月から東光鉄工とドローンを活用した再エネ設備や送電線、工場での発電設備などのインフラ向け点検サービスの本格開発を開始。2023年度末までの事業化を目指す。インフラ設備点検の自動化・遠隔化を実現するドローンを開発し、秋田県で計画されている洋上風力発電設備での適用をはじめとした事業化を検討する。

ACSLは、画像処理を軸とした自律制御・エッジ処理の高度化を推進。量産化を見据えた体制整備として外部パートナーとの連携を進める。2021年6月には閉鎖性空間調査点検用ドローンAirSliderの新型機「Fi4」を開発し、NJSと合弁でサービスを開始。日本郵便・日本郵政キャピタルともレベル4前提のドローン開発などで業務提携した。また、小型空撮機体は2021年9~12月から上市の予定、中型物流ではレベル4技術を前提としたドローン開発と量産化実現を推進、煙突点検では9~12月の初期出荷に向けて生産体制を構築している。


ACLS(自律制御システム研究所)が一部機体の製造を委託しているVFRが、産業用ドローン「ACSL-PF2」の購入可能な「VFR SHOP」を開設した。災害時の偵察や支援物資輸送、ビジネスでの物流・宅配、インフラ点検などを用途としており、カスタマイズすることを前提とする標準仕様モデルは345万円、インフラの点検をAIで自動解析する上位モデルは690万円となっている。

ACSLはヤマハ発動機などの協力もあり、政府調達ドローン約1000機の調達を独占すると見られる。決算期を3月から12月に変更しており、今期での売上貢献は小さいが、来期から住宅地上空でのドローン宅配が解禁されることもあり、民需も一気に増加する。

センシンロボティクスは、ACSLの屋内自律飛行システムを利用し、竹中工務店、カナモト、アクティオと共同で「建設現場での屋内外巡視への適用」を検証する実証実験に成功した。


双葉電子工業は、ソフトバンクと産業向けドローンの共同開発を2020年9月から開始し、機体のプロトタイプを作製。2020年度から2021年度に実証実験を行い、ソフトバンクの法人向けドローンサービス「ソラソリューション」のサービスラインアップに追加する予定。

イメージ ワンは、microdroens社の4枚羽の無人飛行機「MD4-200」と「MD4-1000」を取り扱っている。飛行前に設定したルートを自動で飛行するプログラム飛行機能に加え、自機が離陸した位置情報や飛行ルートを正確に把握する機能を有する。

ヤマハ発動機は無人ヘリのオペレーター育成に大きな実績があり、ドローンスクールを全国25カ所で展開している。新しい農業スタイルを目指して、ヤマハ産業用マルチローター「YMR-08」を投入し、農業現場で散布を実施している。1ha1枚のほ場を散布するために必要な希釈農薬8リットルを搭載し、自動オートクルーズモードと自動ターンアシストモードを有している。

デンソーはプロペラのピッチと回転数を各翼独立制御可能な安定性の高い産業用可変ピッチUAVを開発し、橋梁インフラ点検サービスを開始する。2017年から、ドローンを用いた橋梁の撮影や、AIによる撮影画像の実証実験を積み重ねて来た。独自の損傷AI(人工知能)解析システムで損傷箇所を正確に把握できる。

綜合警備保障はドローンで大規模太陽光発電所の定期点検サービスを開始。セコムは商業施設で不審車の進入関知、追跡システムを開発。理経は、ドローンの飛翔音を検知するシステムを販売する。農水省はドローンで農薬を散布する作業者に認定制度を導入する。

KDDIは、機体・通信・クラウド・気象予測・三次元地図・運行管理をパッケージ化した「スマートドローンプラットフォーム」を開発し、2019年6月から包括サービスとして提供する。事前に設定した飛行ルートで自律飛行し、運行状況をPC画面で確認できる。「鉄塔監視」「風力点検」「測量解析」「精密農業」など、様々な利用法を想定している。

トプコンは日本サーキットから空中写真測量専用ドローン「MATRICE 600 PRO for TS」の提供を受け、必須だった標定点の設置や計測を不要としている。

コムチュアは、2020年6月にドローンによる業務の完全自動化を目指すセンシンロボティクスと資本業務提携した。センシンロボティクスは設備点検、災害対策、警備・監視分野に注力し、伊藤忠ともインフラの安保・点検などで業務提携している。


オプティムは、ドローン、IoT、ウエアラブルのデジタルビッグデータを統合するドローン対応プラットフォームを開発。NTT東日本などとドローン分野の新会社を設立し、4kg~8kgの産業用中型機の提供を2021年2月から開始する。

日本化薬は、ドローン用緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を開発した。第一弾は総重量25kgのドローンに対応した製品をACSL(自律制御システム研究所)の機体に装着し、2021年12月に発売する予定。


政府はデジタル社会に適合しないアナログ規制について、約4000条項を改正する。アナログ規制の改革案は2022年6月3日にも公表される見通しだが、実施時期の明示は9月以降に持ち越す。ドローンのインフラ点検利用については、現在道路やトンネルでは可能だが、河川法の規制で河川やダムには使えず、都市公園でも使えない。関連法令の改正が難航する場合もあるが、老朽化したインフラを維持・管理するには目視規制を撤廃し、ドローンの利用が不可欠となる。


ザインエレクトロニクスは、2022年7月6日、Terra Drone(テラドローン)と業務提携すると発表した。空飛ぶクルマ時代の到来を念頭に置き、今後ドローンや空飛ぶクルマが一層普及するのに対応したリアルタイム航空管制プラットフォームを実現するため、UTM(無人機運行管理システム)向けのトランスポンダ通信モジュールを共同開発する。

企業 内容
ソニー 15年にZMPと「エアロセンス」を設立
20年に「エアピーク」を開始
東芝エネルギー 再エネ設備や送電線などインフラ向け点検サービス 23年事業化目指す
ACSL レベル4技術を前提としたドローン開発推進
小型空撮機体 21年10~12月に上市予定
煙突点検 21年10~12月に初期出荷目指す
双葉電子工業 ソフトバンクと共同開発 20年~21年に実証実験
日本化薬 ドローン用緊急パラシュートシステム開発 21年12月に発売予定

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