株テーマ:デング熱の関連銘柄

国立感染症研究所によると、デング熱とは、ネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介されるデングウイルスの感染症。フラビウイルス科に属し、4種の血清型が存在する。非致死性の熱性疾患であるデング熱と、重症型のデング出血熱やデングショック症候群の二つの病態がある。流行地域はアフリカや南米、アジアなど100か国以上で、温暖化の影響により感染エリアの拡大が予想されている。


武田薬品工業は、2020年にもデング熱ワクチンを承認申請し、中南米やアジアのデング熱発生国に投入する。2022年8月にインドネシアでの販売承認を取得した。インドネシアは東南アジアでのデング熱感染者のほぼ半数が集中している。

花王は、2023年6月に殺虫成分を使わずに蚊を駆除する技術を開発したと発表した。理化学研究所と表面張力の低い界面活性剤水溶液を蚊に付着させることで、蚊の飛行行動を妨げ、さらにはノックダウン状態にさせることを見出した。これを応用し、界面活性剤水溶液をミスト状にして蚊に噴霧するだけで、簡単に蚊を駆除できる技術を開発した。デング熱など蚊が媒介する感染症の拡大を抑えるためには、蚊を駆除することも有効な手段で、多くの地域でピレスロイド類を用いた殺虫剤が使用されているが、近年ピレスロイド類に対する抵抗性を持ち、殺虫剤で死なない蚊が増加していることが東南アジアなどで確認されており、持続的に使用できる様々な方法の開発が求められている。

大幸薬品は、自治医科大学と共同で、二酸化塩素ガス溶存液を用いる蚊の忌避剤特許を取得した。極めて低濃度の二酸化塩素ガスが蚊を忌避することが報告されており、マラリアやデング熱等を媒介する蚊の忌避への利用が考えられるという。医学生物学研究所は、デングウイルスに対して中和活性を有する完全ヒト型抗デングウイルス抗体の開発に成功。

住友化学は、デング熱などの感染症予防に有効な長期残効型の蚊発生源処理剤「スミラブ2MR」を開発し、世界保健機関(WHO)の推薦を申請した。6ヵ月以上の長期間にわたって蚊幼虫駆除を可能とする新しい製品設計となっており、効力持続期間が短い従来の製品と比較すると、薬剤処理にかかる管理コストを大きく下げることが出来る。これまでもデング熱対策用の業務用空間散布殺虫剤「スミプロ」など、さまざまな防除ツールを開発している。

関西ペイントは、くIPPF(国際家族計画連盟)と、包括的なパートナーシップ契約を締結した。蚊よけ効果を持つ塗料「アンチモスキュー」が、デング熱などの予防効果が期待できる。住友化学の蚊発生源処理樹脂製剤「スミラブ2MR」が、発生源処理用樹脂製剤として世界で初めてWHO(世界保健機関)の推薦を取得した。

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