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iPS細胞は、様々な細胞への分化が可能で、再生医療・創薬への応用が期待されている。2013年6月26日には理化学研究所などが申請していたiPS細胞をヒトに移植する臨床計画を承認。2014年9月にiPS細胞を使って目の難病である加齢黄斑変性を治療する世界初の移植を実施した。2019年4月18日に術後の経過を発表し、安全性が確認できたと発表した。5人の患者に移植したが、1人に軽い拒絶反応があったものの、細胞のがん化も見られず、安全性が確認できたという。今後は治療の実用化に向けた企業の治験が始まる予定。

2018年5月には、大阪大学のiPS細胞による心臓病治療の治験が許可された。心臓病では世界初となる。また、iPS細胞で作った心臓細胞をシート状にして重症心不全患者に移植する臨床試験を国に申請し、移植手術の早期実施を目指す。心不全については、武田薬品、富士フイルム、第一三共も治験を計画している。また、慶應義塾大学は2019年5月にiPS細胞を使い心臓病の治療を試みる臨床研究を学内の審査委員会に申請した。2019年度中の移植開始を目指す。

2018年11月には、京都大学がiPS細胞でのパーキンソン病の臨床試験を開始したと発表。臨床試験では、神経伝達物質のドーパミンを放出する神経細胞をiPS細胞から作製し、患者の脳に移植。脳内で減っているドーパミンの量を増やす。大日本住友製薬は2014年から京都大学iPS細胞研究所と共同研究を開始。2015年からは日立製作所も参加。臨床試験がうまくいけば、大日本住友製薬が国に承認を得た上で、再生医療製品として実用化する。また、富士フイルムホールディングスは、2015年に子会社化した米CDIを通じて、2019年にパーキンソン病の治験を始める計画。

2019年2月には、厚生労働省の専門部会がiPS細胞を使って脊髄損傷の患者を治療する慶應義塾大学の臨床研究計画を承認。2019年夏に始まる見通し。計画では、脊髄を損傷して2~4週間たった「亜急性期」で、運動などの感覚が完全にまひした18歳以上の患者4人が対象。移植から1年かけて安全性や効果を確かめる。背中を通る中枢神経が傷ついた脊髄の治療法はまだないため、期待されている。

富士フイルムは2019年7月、大手製薬企業のバイエルと組み、iPS細胞を用いた次世代免疫治療薬の開発を開始した。

iPS細胞は、京都大学山中伸弥教授が世界で初めて開発した。2012年10月8日に山中教授はノーベル生理学・医学賞を受賞。様々な細胞への分化が可能で、再生医療・創薬への応用が期待されている。政府は日本版NHIを創設。官民共同で7000億円の基金を募り、がん治療、iPS創薬などの開発を加速する。

経済産業省は、再生医療製品の世界市場規模が2012年の1000億円から2025年には38.4兆円に、国内の再生医療市場規模が2012年の90億円から2050年には2.5兆円に拡大すると試算しており、大きな成長が期待できる。

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