株テーマ:核融合発電の関連銘柄
核融合発電は、太陽の内部で起きる核融合反応を利用し、発生するエネルギーを熱として回収して発電する。重水素やトリチウムが燃料で、化石燃料を燃やさないことからクリーンエネルギーとして注目される。
政府は、2022年夏をめどにまとめる骨太の方針に向け、核融合の研究開発戦略を策定し、国際競争力を高めるための具体策を盛り込む。2050年をめどに核融合発電ができる国産実験炉の運転開始を目指す。
三菱重工業と量子科学技術研究開発機構は、2020年1月30日、核融合実験炉イーター(ITER)のための世界最大規模の超電導コイルであるトロイダル地場コイルを完成させたと発表した。トロイダル地場コイルは高温かつ高密度のプラズマを閉じ込めるために地場を発生させ、核融合の効率を高める役割を果たす。2025年にフランスで運転開始予定のITERに5基のトロイダル地場コイルを出荷する計画。
東芝エネルギーシステムズは、ITERで用いられるトロイダル磁場コイル18基のうち、世界最大級のトロイダル磁場コイル4基とコイル容器6基の製作を担当する。2021年6月には世界最大級のトロイダル磁場コイル初号機が完成した。
NTTと量子科学技術研究開発機構は、核融合エネルギーの実現に向けた光関連研究開発を国内で立ち上げ。その研究成果をイーター(ITER)計画など世界へ展開する。
助川電気工業は、研究機関向け核融合関連製品が増加。ITER計画と並行して行われているJT-60SA(核融合超電導トカマク型実験装置)の統合試験運転が開始される予定で、今後も関連案件の需要が期待される。
神島化学工業の大型接合セラミックスは、大阪大学や世界中の研究機関が推進している「慣性核融合発電システム」に提供されている。
ジェイテックコーポレーションは、2022年1月にレーザー核融合商用炉の実現を目指すEX-Fusionと技術提携している。
浜松ホトニクスはトヨタとレーザー核融合研究、東洋炭素は核融合炉構造部材を提供している。
INPEXは、核融合発電に参入すると報じられた。京都大学発で世界最先端の炉工学技術を持つ京都フュージョニアリング、レーザー核融合商用炉実現を目指すエクスフュージョン、高温のプラズマを安定的に閉じ込めるヘリカル方式で核融合エネルギーの早期実現を目指すヘリカルヒュージョンの新興3社に出資を検討する。海外企業との資本提携も視野に入れ、最大数百億円を出資するもよう。