株テーマ:ペロブスカイト太陽電池の関連銘柄
ペロブスカイト太陽電池関連株。ペロブスカイト太陽電池は、低温プロセスで製造可能かつ軽量・フレキシブルという特性を持ち、シリコン系太陽電池より低コストかつ高効率な発電が可能な次世代太陽電池として注目されている。特に、EVやドローン、モバイル機器、建材一体型電池(BIPV)など、新たな用途の拡大が期待される。世界市場規模は2021年から2035年にかけて約50倍の7200億円に成長するとの予測がある。
経済産業省は、2024年11月にペロブスカイト太陽電池を2040年度に20ギガワット導入する政府目標を発表した。また、政府は2030年までにペロブスカイト太陽電池の普及を目指し、2025年度にも固定価格買取制度(FIT)で優遇措置を検討。具体的には、ペロブスカイト型の買い取り額を現行の太陽光向け水準を上回る1キロワット時あたり10円以上とする方向で調整するもよう。
富士経済が2025年7月に公表したペロブスカイト太陽電池の市場規模調査によると、単接合型のペロブスカイト太陽電池の2024年の市場規模は61.3%増の500億円、タンデム型は80%増の90億円となった。本格的な量産開始は単接合型が先行し、2020年代後半からタンデム型の量産も進むとみられ、2020年代後半から市場が急拡大すると予想されるとしている。
コニカミノルタは、2025年9月4日に産業用インクジェットヘッドの新製品として「KM1024iSHE-HM-LV」を発売したと発表し、株価は+6.05%と材料視された。「KM1024iSHE-HM-LV」は、溶剤に対する優れた耐久性を備えていることから、溶剤を含むディスプレイ用材料、有機半導体材料、次世代太陽電池用材料、金属ナノインク材料などの塗布が可能としている。また、低粘度のインクや材料塗布にも対応していることから、低粘度の材料を用いるペロブスカイト層の形成などにも使用できるとしている。これまでに適用が困難だった領域に用途を拡大し、ペロブスカイト太陽電池など先端的な分野にもインクジェットヘッドを展開する。
積水化学工業は、2024年12月にペロブスカイト太陽電池の量産化開始を決議。2027年に100MV製造ライン、2030年にGW級の製造ライン構築を目指す。総投資額は3145億円。政府の補助金は1572億円。
マクニカは、2026年度以降の実用化を目指し、2023年度には発電効率10%以上を実現した。
パナソニックホールディングスは、2026年の参入を検討しており、804㎠のペロブスカイトモジュールで変換効率18.1%を達成している。
【実証実験・研究開発】
ウエストHD×エネコートテクノロジーズ:建築物の壁面設置向けシステム開発
日揮HD×エネコート×苫小牧埠頭(2024年~):北海道苫小牧市の物流施設で共同実証実験を開始
トヨタ自動車×エネコート(2023年):車載用ペロブスカイト太陽電池の開発、2030年実用化目標
【原材料・技術提供】
伊勢化学工業:ヨウ素の世界生産シェア約15%
K&Oエナジーグループ:子会社のK&Oヨウ素が世界生産量の約5% を供給
三菱ガス化学(東邦アーステック)(2026年):ヨウ素の増産計画
ENEOSホールディングス:生産能力倍増計画
【主要関連銘柄一覧】
銘柄コード 企業名 事業概要
4204 積水化学工業 ペロブスカイト太陽電池の量産化、政府補助金活用
4107 伊勢化学工業 ヨウ素の世界生産シェア15%
1663 K&OエナジーG ヨウ素国内シェア15%、世界シェア5%
6752 パナソニックHD ペロブスカイト太陽電池の建材一体型製品開発
6387 サムコ ALD装置の供給
4963 星光PMC 銀ナノワイヤ技術活用
4237 フジプレアム ポーランドサウレ社と協業し、製造・販売
4118 カネカ 超薄型ペロブスカイト太陽電池の開発
6255 エヌ・ピー・シー 製造装置メーカー、太陽電池関連装置供給
6804 ホシデン IoT・携帯機器向け電源用途で量産化目指す
4902 コニカミノルタ 保護膜生産を2026年度にも開始と報道