株テーマ:宇宙ビジネスの関連銘柄

世界の宇宙関連ビジネスは、ロケットや衛星の開発にとどまらず、衛星の観測データを資源開発やまちづくりに役立てる事業にまで広がっている。米国の宇宙関連の市場規模は4兆円を超えるのに対し、日本は3000億円であることから、官民で宇宙関連ビジネスを開拓する取り組みを進める。


INCLUSIVEは、2022年3月に宇宙関連事業開発を目的に新会社を設立すると発表。人工衛星から得られるデータを活用した事業コンサルティングとソリューション開発を主軸に、人工衛星の事業への利活用を進める。企業や自治体に対する衛星打ち上げ・運用支援サービスも展開する予定。

三井物産は、農作業の生育管理や森林伐採の監視などに衛星で撮りためた画像を使う研究を実施。将来的には穀物取引の参考にしたり、船舶の運航管理に使う計画。大林組は、2050年の完成を想定して宇宙エレベーター建設の構想を持つ。ANAホールディングスとHISは、有人宇宙旅行を目指すPSエアロスペースに出資。バスキュールとスカパーJSATは、国際宇宙ステーション(ISS)にスタジオを開設し、宇宙メディア事業の創出に向けた活動を始動。ISSの日本実験棟「きぼう」船内にスタジオを開設し、宇宙と地上でリアルタイムにコミュニケーションを楽しめる番組をBSスカパー!やYouTubeなどでの配信を予定する。

三井物産は、民間宇宙ステーション開発の米アクシオム・スペースと資本提携した。

NECは、人工衛星を活用した宇宙利用サービス事業の拠点として、衛星の運用業務を行う「NEC衛星オペレーションセンター」を新設。

セーレンは、ロケット打ち上げ時および飛翔時の過酷な音響環境から人工衛星を守る衛星ロケット用防音ブランケットを開発。JAXAのH-2Bロケット第1号機に採用された。福井県では超小型の県民衛星を2020年に打ち上げる計画「福井県民衛星技術研究組合(FSTRA)」が発足しており、セーレンは中核企業の一角として、宇宙ビジネスに取り組んでいる。

さくらインターネットは、政府の人工衛星データを無償で利用出来るデータプラットフォーム「テルース」の運営を受託している。若年層の利用が拡大し、2020年9月現在でユーザー数は約1万7000人。独自の収益モデルも模索する。

エア・ウォーターは、宇宙ベンチャーのスペースウォーカーに燃料ガスを供給するほか、宇宙飛行機の設計や開発、運用で協力する。北海道大樹町で、「北海道スペースポート構想」が掲げられており、スペースウォーカーは20年代前半にサブオービタルスペースプレーンの打ち上げを目指している。

JFEエンジニアリングも宇宙関連スタートアップに出資し、新たな成長の芽を探る。

荏原は、室蘭工業大学とインターステラテクノロジズと共同で人工衛星打上げロケット用ターボポンプを開発すると、発表した。社長直轄のプロジェクトとして「CP水素関連事業プロジェクト」を発足させており、ターボポンプの共同開発を航空宇宙技術分野への参入の布石とし、宇宙輸送インフラ事業における製品開発をめざす。荏原が開発するポンプは、液体メタン(もしくは液体酸素)を昇圧するもの。質量が数kgから500kg以下の小型衛星を地球低軌道に運ぶ小型ロケット用に開発を進めている。


また、文部科学省が2030年から2040年代を見据えてまとめた宇宙輸送機の開発方針を示した工程表では、宇宙旅客機を企業主導で2040年代前半までに開発する。宇宙との境界とされる高度約100キロメートルを飛ぶ「サブオータビル飛行」をして地上を短時間で移動する「二地点間高速輸送」が巨大市場が生まれる可能性があるとし、期待されている。

HISやANAが出資しているPDエアロスペースは、高度100kmへ到達可能な「完全再使用型サブオービタル宇宙飛行機」を開発しており、沖縄県の下地島空港を「宇宙港」の拠点とする。無人機は2020年、有人機は2024年の運行開始を目指している。


NTTとスカパーJSAT HDは、宇宙でのデータ処理などを手掛ける新会社Space Compassを2022年7月に設立する。観測衛星により宇宙で収集される膨大な各種データを静止軌道衛星経由で地上へ高速伝送する光データリレーサービスを、2024年度に開始する。

ソニーグループは、超小型衛星の打ち上げに成功した。23年春から、地球撮影サービスを開始。

パンチ工業は、ロボット・宇宙技術開発ベンチャーのダイモンと技術パートナー契約を締結し、ダイモンが手掛ける月面探査計画「Project YAOKI(ヤオキ)」の一員として参画する。

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