注目銘柄

    注目銘柄 2025/7/11 08:31
    (6501) 日立製作所 鉄道事業で2兆円目標 HMAXが収益成長を牽引
    (6501)日立製作所は、鉄道事業の売上高を現在の約1.2兆円から2030年に2兆円へ引き上げる中期方針を打ち出した。成長の原動力として、従来のM&Aに加え、自社開発のIoT基盤「Lumada」を鉄道向けに特化させたデジタルプラットフォーム「HMAX(エイチマックス)」を据える。

    鉄道事業の収益構造は大きく変化している。かつて主力だった車両製造の比重が低下し、現在では信号・制御システムが売上全体の57%を占める。HMAXは欧州を中心に2000編成・8000両超の車両に搭載されており、保守や運行最適化などの高度サービスを複数年契約で提供する。導入契約が拡大するほど収益が累積的に積み上がるストック型ビジネスへの転換が進む。

    2025年3月期の受注残高は6.2兆円と高水準を維持し、台湾での鉄道信号受注などグローバル展開も加速している。今後もM&Aを視野に入れ、グローバル市場でのプラットフォーム拡張を推進する一方、Lumadaと親和性の低い非中核事業は選別・再編の対象となる見通しだ。

    2025年3月期決算は、売上高9兆7,834億円、営業利益9,716億円、最終利益6,157億円と過去最高益を記録した。2026年3月期も売上高10兆1,000億円、最終利益7,100億円と増益基調が続く見通しである。鉄道事業のデジタル化とグローバル展開が、今後も日立の成長を下支えする構図だ。

株式情報更新 (7月10日)


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