株テーマ:AI(人工知能)が拓く未来 AI医療画像診断の関連銘柄

AI(人工知能)医療画像診断の関連銘柄。AI医療画像診断では、医療画像の診断にAI(人工知能)を活用する。大量の医療画像をAIで解析することで、病変部が見つけやすくなると期待される。医師が限られた時間で大量の画像を診断すると見逃すリスクがあるが、AIによる画像認識の精度は専門家と遜色ない水準に高まってきており、医師の負担を軽減し、診断精度を向上させることが期待される。AIを使った診断機器・医療サービスの世界市場規模は2016年の770億円から2022年には8800億円に拡大するとの試算もある。

富士フイルムやオリンパス、サイバーダイン、キヤノングループの医療機器メーカーであるキヤノンメディカルシステムズは、東京大学発のベンチャーで医療画像向け診断支援のAI開発のトップランナーであるエルピクセルに出資した。富士フイルムは、エルピクセルと協力し、内視鏡を用いた診断支援をするAI技術の開発を加速させる。国内トップシェアの内視鏡情報管理システム「ネクサス」での観察レポートの半自動化など内視鏡診断支援AIソリューションの構築も目指す。

オリンパスは、保有する膨大な画像情報を活用することで、オリンパス製品のAI技術開発を強化。サイバーダインは、医療画像ビッグデータも含めた医療技術を開発。キヤノンメディカルシステムズは、エルピクセルが研究開発を進めるAI医療画像診断支援技術「エイル」の国内外での市場開拓を含めた事業連携を進める。

また、アステラス製薬は再生医療・細胞医療の領域で、細胞の選定・管理にエルピクセルのAI画像解析技術を活用したシステムの開発を進める。

オリンパスは大腸内視鏡画像をAIで解析し、医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「エンドブレインアイ」を2020年5月下旬に発売する予定。「エンドブレインアイ」は内視鏡での病変検出用AIとして国内で初めて薬機法承認を得た製品で、サイバネットシステム、昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学大学院がAMEDの支援をもとに開発。臨床性能試験を経て、サイバネットシステムが2020年1月24日に医薬品医療機器等法の製造販売承認を取得。オリンパスが国内での独占販売権を取得した。

コニカミノルタはX線診断装置で撮影した画像から、病気の恐れがある部分を検出するAIプログラムの開発を目指す。日立製作所は肺がんなどを診断するシステムを開発中。NECは国立がん研究センターと大腸がん及び前がん病変を内視鏡検査時にリアルタイムに発見するシステムの開発に成功し、グローバルでの実用化を目指している。シスメックスとオプティムは、遺伝子検査の画像情報とAIで新たな診断法の開発やシスメックスの検査機器からのデータをAIで画像処理し、故障予知を行う。

富士フィルムは2020年代半ばにヘルスケア事業の売上を1兆円に倍増させる計画で、事務機の成長が見込めない中、医療機器を新たな柱に育て、営業利益も1000億円を目指している。富士フイルムは医療用画像管理システムでは世界シェア首位だが、MRI(磁気共鳴画像装置)やCT(コンピューター断層撮影装置)、超音波診断装置などの画像診断機器事業を旧日立メディコから1700億円で買収する。

AI(人工知能)は、膨大なデーターを処理するGPU(画像処理半導体)が、ディープラーニング(深層学習)研究を加速させた。ディープラーニングは、人の脳の神経細胞をモデルにした情報処理システム「ニューラルネットワーク」の概念を用いている。事前に特徴を定義することなく、膨大なデータの中からコンピューター自らが物事の特徴を突き止め、認識する。IoTやビッグデータとの組み合わせで、飛躍的に進化すると見られ、IT大手が投資を加速させている。

医療分野では、大量の医療画像をAIで解析することで病変部を見つける医療画像診断や薬の化学構造や遺伝子解析情報といった医療ビッグデータを活用し、既存の薬を別の病気に転用することなどにもAIの活用が広がってきた。カルテの自動化や内視鏡による画像診断、血液検査などにもAIを活用し、AI病院の実現を目指す動きもある。今後は人間のようななめらかな翻訳の実現、人との対話、感情理解、自動運転など職種によっては人を代替する可能性も出ている。

先端素材開発では、実験や論文などのビッグデータをAIで分析する「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」と呼ばれる手法で先端素材を開発する期間の大幅短縮を目指す。三菱ケミカルや住友化学、東レなど化学大手約20社は2021年度からシステムを共同運用する見通し。国内の特許情報から化合物の製法と物性データをデータベース化。約10万のデータから始め、2030年度までに約50万に増やす方針。

グーグルの人工知能がプロの囲碁棋士を破ったことが世界的な話題となっている。これまで人間を打ち負かしてきた将棋やチェスと比較して、盤面が広く、局面が10の360乗と難易度が高く、これまでは10年かかるとされていた。キーワードとして浮上するのは「AI(人工知能)」「ディープラーニング(深層学習)」などで、関連銘柄への波及が想定される。世界のAI市場は、2016年の6億ドルから2025年に368億ドルに拡大するとの試算もあり、これから大きく成長していくことが見込まれる市場となる。

政府はAI(人工知能)を使いこなす人材を年間25万人育成する目標を掲げ、ディープラーニングを体系的に学ぶ環境を整備する。また、完成車の検査や工場の定期検査でのAIによる代替や、AIでの信用リスク判定で金融商品を販売できるなど、規制緩和も検討している。

AIでの信用リスク判定では、2020年3月3日にクレジットカード会社が与信枠の設定にAIなどを使えるようにする割賦販売改正案を閣議決定した。事前に審査手法や管理体制などのチェックを受けて経済産業相の認定を受ければ、AIなどの独自の与信手法を使えるようにする。2021年春の施行を目指す。

ソフトバンクの孫社長がグループの投資方針について、「AI(人工知能)のトップ企業に投資する」と述べたことで、AI関連株が動意づいている。

また、AIによる問題解決や提案を通じて、よりヒトの五感に近づくポストスマホ時代も考えられる。ポストスマホ時代をリードするハードは、ウエアラブル端末やVR、ロボットなど模索が続いている。経済産業省によると、その市場規模は現在の1兆円から2030年に9兆円に広がる見通し。

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