株テーマ:核酸医薬品の関連銘柄

核酸医薬品関連銘柄。核酸医薬品は第三世代の医薬品として期待がかかる。DNAやRNAを組み合わせて作るため、化学合成した医薬品より副作用が少なく、効果が高いとされる。がんなど特に有効な医薬品がない分野での新薬が期待される。世界の市場規模は2030年に2兆円に拡大するとの予測もある。

日東電工は、核酸医薬の受託製造で世界シェア6割を持つ。2025年までに原薬を増産し、売上高を2020年度の2倍の300億円に増やす計画。核酸医薬品では肝硬変患者向けに臨床試験を開始。薬剤をカプセルで包み、効果的に遺伝子の働きを抑えることで、肝硬変の進行を遅らせる。また、がん治療向け核酸医薬品を開発。2018年3月に肺線維症治療の第2相試験を開始。2019年4月にはKRAS変異がんを対象とした核酸医薬品が米FDAから許可され、第1相試験を開始する。

日東電工は核酸医薬の合成に用いられるポリマービーズ工場を新設する。
核酸医薬関連の売上高を30年度までに700億円に倍増させるため、175億円を投じてマサチューセッツ工場の生産能力を3倍に引き上げる。



東洋紡は、核酸医薬品の受託生産を2018年に開始する。ナノキャリアは核酸デリバリーで特許査定。日米欧の主要マーケットで権利を確保できることになった。アンジェスは、核酸医薬である「キメラデコイ」の基盤技術開発を完了。臨床研究を含む製品開発の段階に進む。ぜんそく、慢性関節リウマチ、変形性関節症、クローン病など炎症性疾患に対する治療薬の開発を目指す。

住友化学は、2013年にボナックから核酸医薬品の製造・販売に関する知的財産権の独占的実施権を許諾。2016年7月にボナックの第三者割当増資を引き受けた。

東レは、ボナックが創製した核酸医薬品「BNC-1021」の国内ライセンスを取得。2018年までの臨床試験開始を目指す。特発性肺線維症の治療薬として期待される。特発性肺線維症は呼吸困難を引き起こし、中間生存期間平均3年、5年生存率が20~40%の治療後の経過が悪い慢性難治性疾患。

スリーディーマトリックスは、新規siRNA核酸製剤「TDM-812」を開発する。siRNAと呼ばれる核酸医薬は、がん細胞を生み出す元となるRPN2遺伝子の発現を減らす働きをする。一方、siRNAをはじめとする核酸医薬は生体内で容易に分解され、作用が発揮されないという問題がある。TDM-812はスリーディーマトリックスの基盤技術の1つである界面活性剤ペプチドA6Kを使用。薬剤到達の課題解決が期待されている。

日本新薬は、2020年3月25日に核酸医薬「ビルテプソ点滴静注250mg」で厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表した。筋肉が衰える難病であるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象とした医薬品で、DMD治療では対症療法としてステロイド剤の投与はあるが、DMDの発症原因となるジストロフィンたんぱく質の産生を促す薬剤はなく、新たな治療剤が期待されていた。2020年8月には米国で販売承認を取得した。

味の素は、2016年12月9日、核酸医薬品の開発・製造受託のジーンデザインを買収すると発表。開発初期から後期・上市に至るまでのオリゴ核酸の受託開発・製造事業が可能な体制を構築する。

日本触媒は、10億円を投資し、2021年中に原薬の生産能力を年400グラムから800グラムに増やす計画。将来的には、10倍以上の生産能力を持つ製造施設の新設も検討する。

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