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2025/12/10 07:52
(7912) 大日本印刷 回路線幅10nmのNILテンプレートを開発
最先端ロジック半導体向けでEUV代替の選択肢を拡大
(7912)大日本印刷は、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)向けに回路線幅10nmのテンプレートを開発した。1.4nm世代相当のロジック半導体にも対応でき、スマートフォンやデータセンター向けの先端チップ需要の拡大を背景に、EUV露光に依存しない生産方式の選択肢として注目される。NILは露光装置を使用せずテンプレートを基板に直接転写するため、EUVに比べて設備負担や電力消費が小さく、コスト削減と環境負荷軽減が可能となる。
DNPは2003年からNIL用テンプレート技術を蓄積しており、今回の10nm微細化は、自社のフォトマスク製造技術やウエハ加工技術を応用した成果だ。Self-Aligned Double Patterning(SADP)によりパターン密度を2倍にすることで、高精度な微細構造形成を実現した。これにより、従来はEUVが必須とされてきた最先端ロジック半導体領域でも、NIL適用の可能性が広がる。
NILは露光工程の電力消費量を約10分の1に抑えられるとされ、EUV設備を持たない半導体メーカーやコスト圧力の強いファウンドリにとって魅力的な加工手段となり得る。DNPは既に顧客との評価作業を開始しており、2027年の量産開始を目指す方針だ。さらに2030年度にはNIL関連事業で40億円の売上増加を掲げ、テンプレート開発の高度化と生産能力の増強を進める。
最先端半導体では微細化と電力効率が競争軸となるなか、NILは「EUV一強」の構図に変化をもたらす技術として位置づけられつつある。ただし、量産歩留まりやロジック用途での成熟度といった課題も残る。今後は採用企業の広がりや量産適用の実績が焦点となる。大日本印刷の今回の取り組みは、次世代半導体製造プロセスの選択肢を拡大する重要な一歩だ。
(7912)大日本印刷は、ナノインプリントリソグラフィ(NIL)向けに回路線幅10nmのテンプレートを開発した。1.4nm世代相当のロジック半導体にも対応でき、スマートフォンやデータセンター向けの先端チップ需要の拡大を背景に、EUV露光に依存しない生産方式の選択肢として注目される。NILは露光装置を使用せずテンプレートを基板に直接転写するため、EUVに比べて設備負担や電力消費が小さく、コスト削減と環境負荷軽減が可能となる。
DNPは2003年からNIL用テンプレート技術を蓄積しており、今回の10nm微細化は、自社のフォトマスク製造技術やウエハ加工技術を応用した成果だ。Self-Aligned Double Patterning(SADP)によりパターン密度を2倍にすることで、高精度な微細構造形成を実現した。これにより、従来はEUVが必須とされてきた最先端ロジック半導体領域でも、NIL適用の可能性が広がる。
NILは露光工程の電力消費量を約10分の1に抑えられるとされ、EUV設備を持たない半導体メーカーやコスト圧力の強いファウンドリにとって魅力的な加工手段となり得る。DNPは既に顧客との評価作業を開始しており、2027年の量産開始を目指す方針だ。さらに2030年度にはNIL関連事業で40億円の売上増加を掲げ、テンプレート開発の高度化と生産能力の増強を進める。
最先端半導体では微細化と電力効率が競争軸となるなか、NILは「EUV一強」の構図に変化をもたらす技術として位置づけられつつある。ただし、量産歩留まりやロジック用途での成熟度といった課題も残る。今後は採用企業の広がりや量産適用の実績が焦点となる。大日本印刷の今回の取り組みは、次世代半導体製造プロセスの選択肢を拡大する重要な一歩だ。

