注目銘柄

    注目銘柄 2024/1/30 08:35
    (6526) ソシオネクスト 半導体関連のトップピック、本格的な収益向上は26年以降
    第3四半期決算が1月30日に発表される。直近の市場コンセンサスは上方修正されており、ハードルは高いが、上振れが期待される。

    決算期 2024/3連会 2024/3連予
    売上高 214,000 226,320
    営業利益 29,000 31,940
    経常利益 29,000 33,120
    当期利益 22,500 25,560
    一株利益(円) 127.90 143.43
    一株配当(円) 138.00 64.00

    ソシオネクストは、富士通とパナソニックHDの半導体設計事業を統合し15年に設立した。富士通と政投銀は株式の15%をそれぞれ保有する筆頭株主、パナソニックHDは7.5%を保有していたが、既に3社は全株売却している。180日のロックアップ(一定期間の売却禁止)期間が終了したためで、全体の37.5%に相当する規模で、売却分は海外投資家100社弱で引き受けた。

    半導体を1つのチップに集積した「SoC(システム・オン・チップ)」は通信や車両制御など複数の機能を1枚のチップに載せ、処理を効率化させた車載半導体で、複雑な情報を処理する必要のある自動運転には欠かせない。自動車用の高性能SoCは、テスラが自社開発に成功し、既に搭載しているほか、米エヌビディアや米クアルコムなどが開発中。

    国内ではトヨタ、ホンダ、マツダやルネサスエレクトロニクスなどとともに、ソシオネクストが「自動車用先端SoC技術研究組合」を設立し、共同研究する。

    ソシオネクストは、自動運転システムなどに使う次世代自動車向けの半導体チップを開発し、3ナノ(ナノは10億分の1)の最先端品の設計・開発に取り組んでいる。台湾積体電路製造(TSMC)に製造を委託し、2026年から量産を始める予定としている。

    3ナノ半導体は、TSMCや韓国サムスン電子が量産する最先端品で、処理性能が高く、消費電力は少ない。次世代の2ナノ品についてもTSMCや英半導体設計アームと協業を決めており、25年上期にサンプル出荷を始め、その後に量産に移る計画を進めている。

    どう考えても、次世代半導体開発のトップグループに入っており、英アームと同等の評価を受けることになりそうだ。工場を持たないファブレス企業で、顧客から開発費を受け取りオーダーメードで半導体を設計開発するビジネスモデルで、サンプルを提示して出荷することから、本格的な収益貢献は26年以降となる。

株式情報更新 (5月10日)


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