株テーマ:原発の関連銘柄
日本のエネルギー政策において、原発再稼働は経済・環境・エネルギー安全保障の観点から重要なテーマとなっている。2011年の福島第一原発事故後、日本は脱原発政策を進めたが、近年はエネルギー価格の高騰やカーボンニュートラルの実現を背景に、再稼働の流れが加速している。また、AIデータセンター向けの電力需要が急拡大する中で、脱炭素化にも寄与する原発が注目されている。
政府は2030年のエネルギーミックス目標として、原子力発電を電源構成の20~22%に引き上げる方針を掲げており、既存の原発の再稼働と次世代原発の開発を進めている。特にGX(グリーントランスフォーメーション)政策の一環として、小型モジュール炉(SMR)や高温ガス炉といった新技術の導入が検討されている。
■原発関連の注目トピック
・9503関西電力 原発新設へ調査を再開
関西電力は、2025年7月に美浜発電所1号機の後継機設置検討の自主的な現地調査を再開すると発表した。新規制基準への適合性の観点から、地形や地質等の特性を把握し、後継機設置の可能性の有無について検討する。
・9509北海道電力 泊発電所3号機の再稼働ロードマップ
泊発電所3号機の再稼働に向けた取組では、2025年7月に原子炉設置変更許可を取得。2027年のできるだけ早期の再稼働に向け、設計・工事の計画認可や保安規定変更認可の審査、安全対策工事などに総力を挙げて取り組む。
■対米投資に関する共同ファクトシートにおける原発関連
日米両政府は、2025年10月にトランプ米大統領の訪日に際して「日米間の投資に関する共同ファクトシート」を発出した。その中から原発関連をピックアップ。
・米ウエスチングハウスは、AP1000原子炉、小型モジュール炉(SMR)を建設。三菱重工業やIHI等の日本企業の関与を検討する。事業規模は最大1000億ドル。
・米GEベルノバ日立は、小型モジュール炉(SMR)を建設。日立GEベルノバ等の日本企業の関与を検討する。事業規模は最大1000億ドル。
■原発関連の注目銘柄リスト
・7013IHI
IHIは、2026年~2028年の投資計画において、原子力では圧力容器や鋼製モジュールの製造技術力・生産性向上に向けた投資とSMRなど次世代原子炉の開発投資を挙げている。
・7711助川電気工業
研究機関向け原子力関連製品や原子力発電所の再稼働に向けた関連製品が好調。
・1945東京エネシス
2025年4月に「広域安全対策専門組織」を新設。原発再稼働に向けた安全対策工事の受注拡大に注力。
・6492岡野バルブ製造
発電用バルブ製造やメンテナンスを展開。
・6378木村化工機
エネルギー・環境事業で原子力を含むエネルギー・環境関連機器の設計・製作・据付工事を展開。
・1968太平電業
原子力発電所の再稼働関連工事の施工受注などを推進。国内100カ所以上の拠点を有し、原子力発電所へのバックアップ体制が充実。
・6466TVE
バルブ事業で原子力発電所設備の定期検査工事などを展開。
・7011三菱重工業
原子炉のメンテナンスや新型炉の開発に関与。
・6501日立製作所
日立製作所とGEベルノバは、合弁会社を通じて小型モジュール炉「BWRX-300」の開発を推進。
・6330東洋エンジニアリング
原子力関連設備の設計・建設を手掛ける。
・9501東京電力ホールディングス
柏崎刈羽原発の再稼働が進めば、大きな利益増が見込まれる。
・9503関西電力
原発比率が高く、再稼働によるコスト削減が業績に寄与。
・9508九州電力
九州電力管内の電力安定供給とともに、原発稼働率向上がカギ。
■今後の展望
原発再稼働は、エネルギー価格の安定化や温室効果ガス削減に貢献する一方、安全対策の徹底と地元の理解が不可欠だ。政府はGXリーグを通じて、企業の脱炭素戦略と原発活用をリンクさせ、より持続可能なエネルギー政策を進める方針だ。
今後、政府の原発政策や、規制当局(原子力規制委員会)の対応、地元の受け入れ状況などが、関連銘柄の株価動向に影響を与えることが予想される。
















