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    ゴールドマン、アームを売りに格下げ AI期待先行の株価に調整圧力
    ゴールドマン・サックスは、英半導体設計大手アーム・ホールディングスの投資判断を「中立」から「売り」に引き下げた。あわせて目標株価を従来の160ドルから120ドルへ大幅に引き下げている。生成AI関連需要を背景に株価が急上昇してきたが、足元では成長期待を先取りし過ぎているとの見方が強まった。

    アームスマートフォン向けCPU設計で高いシェアを持ち、近年はデータセンターAIサーバー向けへの展開を加速している。AI処理に適した省電力設計が評価され、大手クラウド事業者による採用が拡大してきたことが株価上昇の原動力となってきた。

    一方でゴールドマンは、こうした成長シナリオが株価に十分織り込まれていると指摘する。AI投資の拡大が続くとしても、ロイヤルティ収入の立ち上がりには時間を要し、短期的な収益成長には不確実性が残るとした。競合アーキテクチャとの競争激化や、顧客側の投資調整リスクも意識されている。

    直近決算では、アームは売上高、営業利益、最終利益ともに前年同期を上回り、業績自体は堅調に推移している。ただし高い成長率の持続を前提とした評価が続く中、株価の変動リスクは大きい。

    市場では、AI関連銘柄の選別色が強まる局面に入りつつあり、アームも例外ではない。中長期の成長ポテンシャルは維持しつつも、当面はバリュエーション調整局面に入る可能性がある。今回の格下げは、AIテーマ一辺倒だった投資スタンスを見直す契機となりそうだ。

株式情報更新 (12月17日)


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