株テーマ:自動運転車:完全自動運転へ ミリ波レーダーの関連銘柄

●ミリ波レーダー 電波で対象物の距離・方向・サイズを計測
●2021年度の新車に自動ブレーキ取り付け義務でも注目

周囲に電波を放射し、その反射波から対象物の距離・方向・サイズを計測するミリ波レーダー。自動運転時代では、車体の前・後部に装備された電波を利用するミリ波レーダーとカメラの組み合わせも普及する。高速道路の自動運転だけならミリ波レーダーで十分だが、一般道ではライダーが必須といわれる。

2019年11月27日、政府が2021年度から発売される新車に自動ブレーキの取り付けを義務付けるとの報道で、ファルテックが急騰した。2019年2月に世界の40か国が自動ブレーキ義務付けで合意した流れを受けたもので、国内の自動ブレーキ性能認定制度では、「時速50キロで走っている時に前方で停止している車にぶつからない、またはぶつかる時に20キロ以下になっている。50キロで走っていても前方を20キロで走っている車にぶつからない」となっているため、ミリ波レーダー関連が注目される。

●日本電産 ミリ波とカメラの一体型 20年から量産を開始
●デンソー 前方検知のミリ波レーダー
●日立 360度センシング技術
●ファルテック ミリ波レーダーカバーを18年から量産
●ミネベアミツミ 79GHzミリ波レーダー

日本電産エレシスはミリ波レーダーとカメラの一体型を開発している。デュアルモードショートレンジレーダーは、車速に応じて周波数帯を自動で切り替えることが出来、中国自動車メーカーと商談中。インテグレーテッドセンサーフュージョンは、中国2社が採用し、2020年から量産を開始する。

デンソーは前方検知のミリ波レーダーを手掛けるが、後側方の車両検知用の準ミリ波レーダーを開発し、トヨタ「カムリ」に移用された。富士重工業は、現行の「アイサイト」ステレオカメラに加え、クルマの四隅に低コストなミリ波レーダーを組み合わせることで自動運転を実現する方針。

日立オートモティブシステムズはステレオカメラとミリ波レーダーを組み合わせた「360度センシング技術」を展開する。また、遠距離の障害物を検知する、遠距離レーダーとして世界最小クラスのミリ波レーダーを開発した。2015年に試作した製品に比べ、50%以上の小型化に成功した。

ファルテックは、独自開発したミリ波レーダーカバーを2018年から量産。米国で22年に自動ブレーキ装着が義務づけられるため、受注次第で年産100万台体制も検討する。多極コネクターで自動車用に強いイリソ電子は、車載カメラやミリ波レーダー向けが想定以上となっている。ミネベアミツミは上海モーターショー2017に開発中の79GHzミリ波レーダーを出展した。

●完全な無人運転 2025年までの実用化を目指す
●自動運転車と周囲の交通情報を連携させる研究開発が本格化
●「レベル3」実用化に向けた法整備が完了 2020年中に施行予定

自動運転車は、先行車をセンサーやカメラで認識し、自動ブレーキをかけたり、車線変更する次世代技術。カメラやレーダーによって取り込まれた情報から道路の白線や障害物・先行車や歩行者などを検知する。自動車メーカーは2020年を目処に開発中で、政府は遠隔操作による無人運転車を2020年までに実用化、2025年までに完全な無人運転の実用化を目指している。ITを搭載した車をスマートカーと総称する。

2019年5月、自動運転システムの使用に関する規定を新設した改正道路交通法が成立。条件付きで全ての運転を自動化する「レベル3」の実用化に向けた法整備が完了。2020年中に施行される予定。2019年10月からは自動運転車と信号の切り替えや高速道路の合流地点など周囲の交通情報と連携させる研究開発が本格化する。2020年夏にはトヨタ自動車が東京・お台場の公道で特定の場所でシステムが全てを操作する「レベル4」の自動運転車の試乗を実施する。日経はホンダが2020年夏をめどに「レベル3」の自動運転車を発売すると報じている。

電子部品各社はスマホの汎用化で利益が出にくくなり、高収益の見込めるスマートカー向け部品にシフトしている。米IHSオートモーティブによると、自動運転車は2030年前後から急速に普及し始める見通し。2035年には自動運転車の販売台数が1180万台と世界の自動車販売の約10%を占める見通し。

自動運転車の動作メカニズムは、センサーなどのハードと人工知能のソフトに分けられる。センサーとしては、GPS、ミリ波レーダー、ビデオ・カメラ、レーザー・レーダーなどがある。ルノー・日産連合は2022年までに人が運転に関与しない完全自動運転車の実用化する。

世界を見渡すと完全自動運転ではグーグル系のウェイモが先行しており、2009年から進める公道試験の走行距離は3000万キロメートルを突破。2018年に米アリゾナ州で自動運転車を使ったタクシーサービスを開始。2019年に米ミシガン州に車両の改造拠点を設置している。また、2020年3月2日に米投資会社のシルバーレイク・パートナーズなどから約2400億円を調達したと発表した。自動運転に活用する最新のセンサーの導入や物流分野を強化する方針。

フォードは出遅れ気味だが、2023年までに完全自動運転車の量産化に向け、40億ドルを投資する。

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