株テーマ:電力系統用蓄電池の関連銘柄
系統用蓄電池関連銘柄。系統用蓄電池事業は、大規模な蓄電池システムを導入し、電力市場での取引を通じて電力を充放電することで、電力系統の安定化や効率化、電力の需給調整に寄与する事業。
太陽光発電・風力発電など再生可能エネルギーの普及が広がっているが、季節や天候による発電量の変動や太陽光発電普及による昼の発電量との需要が合わず、使われずにロスになっている電力があることが課題となっている。
電力系統に直接接続し、市場を通じて調整力や供給力が提供できる系統用蓄電池の重要性が高まっている。
三菱倉庫は、2025年8月に新規事業として系統用蓄電池事業に参入すると発表した。200億円を投資し、神奈川県、埼玉県の2カ所を手始めに展開する。今後、他県5カ所で事業展開を計画しており、7カ所での合計容量は約700MWhとなる見込み。
大和ハウス工業は、2025年8月に、蓄電池ビジネスに参入するため、九州工場内に系統用蓄電所を設け、運用や事業性の実証実験を開始すると発表した。稼働は2026年7月頃からの予定。
クラダシは、2025年1月に系統用蓄電池事業の開始を決議した。
東京センチュリーは、成長戦略の1つとして「蓄電池発電所の新設および運用」を掲げており、系統用・併設型ともに取り組みを加速。
●NAS電池
NAS電池は、電力制御などの大容量向け蓄電池で、日本ガイシが世界唯一の量産メーカーと見られる。日本ガイシとネクストエナジー・アンド・リソースが、メガワット級の電力貯蔵用NAS電池と太陽光発電を組み合わせたサービスを提供する。電力小売事業者向けで、パッケージ化により導入コストが削減出来る。NAS電池は、危険物保安技術協会による火災安全性能に係る性能評価を受けており、危険物施設の設置と適用の基準について特例が認められている。消火設備は緩和され、リモート監視も認められており、従来より設置が容易になっているようだ。
日本ガイシは、NAS電池で電力需給調整市場に参入する。電力需給調整市場は2021年4月に開設され、需要と供給を一致させる必要がある電力を調整する。日本ガイシは、自社開発のNAS電池を国内4拠点に設置し、総出力7100キロワット、総容量5万1000キロワット時で運用している。
●レドックスフロー電池
レドックスフロー電池は住友電気工業が開発している大型蓄電池。電池反応を行うセル、活物質を貯蔵するタンク、活物質を循環させるためのポンプと配管から構成される蓄電池。出力部と容量部が独立しており、用途に応じた適切な出力と容量設計が可能。電極や活物質の劣化がなく、長寿命の大型蓄電池として適している。
住友電気工業は、レドックスフロー(RF)電池の運用年数を最長30年間に向上させたと発表した。従来の20年間から10年間の長寿命化により、太陽光など脱炭素電源や電力系統の需給調整用として蓄電性能が高まる。2025年度中に受注を開始する予定だ。
RF電池は、電解液の酸化還元反応を利用して電気を蓄える。安全性や長寿命性、高い出力特性が特徴で、大規模蓄電システムに適している。住友電工は、電極材料や電解液などの改良により、電池の性能を向上させた。
北海道電力が世界最大級の6万キロワットのレドックス・フロー電池を設置する。設備が大型で、NAS電池やリチウムイオン電池と比べて高コストだが、メンテナンスはセパレーターを20年に一度交換するだけで、寿命は50年と他の蓄電池を大幅に上回る。不燃物のバナジウムが溶けた溶液をプラスとマイナス別々に保存するため、燃えることのない安全性でも優位。
2018年12月にはレドックスフロー電池を米国カリフォルニア州の電力卸市場に接続し、経済的価値を高める手法を検証する実証運転を開始すると発表した。
住友電気工業は、豪州において資源関連事業を営むVecco社から、レドックスフロー電池を初めて受注した。国内外で出力総計47MW、容量総計162MWhのレドックスフロー電池の導入実績がある。