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    注目銘柄 2025/11/19 05:56
    (6723) ルネサスエレクトロニクス AI時代のメモリー帯域に応える新半導体「RRG5006x」開発
    (6723)ルネサスエレクトロニクスは、AIサーバー向けメモリーで使用されるDDR5 RDIMMに搭載されるレジスタードクロックドライバー(RCD)の新製品「RRG5006x」を開発した。CPUやGPUがメモリーへデータを書き込む際の速度を従来品比で約1割改善し、1秒間に96億回のデータ転送を実現する性能が特徴だ。大規模AI処理ではメモリー帯域がボトルネックになりやすく、演算半導体の高性能化に加えて、メモリー周辺ICの高速化が不可欠となっている。同社はこれらの構造変化を踏まえ、DRAMメーカーと連携しながら製品開発を進めてきた経緯がある。

    今回の製品はサーバーメモリーに搭載される複合部品の中核を担い、メモリー基板への信号品質向上や低電力化も盛り込んだ。AIの計算量拡大に伴い、モデルサイズや学習データ量の増大が続く中、メモリーへの転送効率向上はデータセンター全体の処理能力を押し上げる効果が期待される。すでに韓国サムスン電子へサンプル出荷を開始しており、グローバルなサーバーベンダー・メモリーメーカーを巻き込んだ量産設計が進んでいる。

    量産開始は2027年前半を予定し、AI関連ハードウェアの世代交代に合わせた投入となる見通しだ。ルネサスは車載・産業分野の収益基盤が強く、安定したキャッシュフローを確保しているが、データセンター向け事業は今後の成長ドライバーのひとつとして注目されている。AIや高性能計算向けの投資が世界的に増加する中で、メモリー周辺ICの重要性は高まりつつあり、同社のRCD事業は中期的に事業規模拡大の余地を持つ。

    同社の今期通期予想は現時点で非開示だが、市場ではAIサーバー向け半導体の需要拡大が続くとの見方が多く、メモリー帯域改善を担う製品の貢献に期待が向かいつつある。特に今回のRCDは性能向上幅が明確であり、サーバーベンダーが次世代DDR5 RDIMMの設計に組み込みやすい点が強みだ。

株式情報更新 (12月7日)


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