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(6723) ルネサスエレクトロニクス タイミング部門を20億ドルで売却検討
(6723)ルネサスエレクトロニクスは、通信やデータセンター向けのクロック・同期用半導体を手がけるタイミング部門の売却を検討している。関係者によると、売却額は最大20億ドル(約3,000億円)規模となる可能性があり、米JPモルガンと協議を進めている段階という。米テキサス・インスツルメンツや独インフィニオンなど同業大手が関心を示しているとみられる。
対象部門は通信インフラや5Gネットワーク、データセンター間通信の同期を支える特殊ICを製造しており、需要が拡大する高性能ネットワーク分野の重要技術を担う。売却が実現すれば、ルネサスは調達資金を自動車用マイコンや産業用パワー半導体などの中核分野に再投資し、収益基盤の強化を図る方針だ。
同社の2024年12月期は売上高1兆3,484億円(前期比8%減)、営業利益2,229億円(同43%減)の最終減益。炭化ケイ素(SiC)パワー半導体で中国勢との競争激化やEV販売の減速が響いた。2025年12月期は売上高1兆4,200億円、営業利益3,100億円と増益回復を計画するが、ウルフスピード破綻による損失など不透明感は残る。
6月に公表した長期経営計画では、2030年までに売上高を2倍とする目標を5年延期し、営業利益率目標の下限を引き下げた。研究開発投資を継続し、ソフトウエア分野の収益化を狙う。事業売却による選択と集中は、構造改革の加速を示す動きといえる。
事業再編で財務体質の改善は見込めるが、SiC競争の逆風やEV需要の減速が重荷。短期的には株価の反発余地は限定的とみられ、中長期での構造転換の成果を見極めたい。
対象部門は通信インフラや5Gネットワーク、データセンター間通信の同期を支える特殊ICを製造しており、需要が拡大する高性能ネットワーク分野の重要技術を担う。売却が実現すれば、ルネサスは調達資金を自動車用マイコンや産業用パワー半導体などの中核分野に再投資し、収益基盤の強化を図る方針だ。
同社の2024年12月期は売上高1兆3,484億円(前期比8%減)、営業利益2,229億円(同43%減)の最終減益。炭化ケイ素(SiC)パワー半導体で中国勢との競争激化やEV販売の減速が響いた。2025年12月期は売上高1兆4,200億円、営業利益3,100億円と増益回復を計画するが、ウルフスピード破綻による損失など不透明感は残る。
6月に公表した長期経営計画では、2030年までに売上高を2倍とする目標を5年延期し、営業利益率目標の下限を引き下げた。研究開発投資を継続し、ソフトウエア分野の収益化を狙う。事業売却による選択と集中は、構造改革の加速を示す動きといえる。
事業再編で財務体質の改善は見込めるが、SiC競争の逆風やEV需要の減速が重荷。短期的には株価の反発余地は限定的とみられ、中長期での構造転換の成果を見極めたい。