大正製薬 ＨＤは、経営陣による自社買収（MBO）を実施し、非上場化を目指すと発表した。買い付け価格は1株8620円で、買い付け総額は約7100億円。日本企業のMBOでは過去最大規模となる。MBOの成立には、株主の過半数の賛成が必要となる。TOBの実施期間は27日から来年1月15日まで。TOB成立後上場廃止となる。

MBOを実施するのは、創業家出身の上原茂副社長が代表を務める「大手門株式会社」。上原氏は、株式上場を継続する限り、短期的な利益確保や分配への配慮が必要で、中長期的な施策実行の足かせとなる可能性が高いとし、企業価値向上のために非上場化を選択したと説明した。

大正製薬HDは、総合感冒薬「パブロン」やドリンク剤「リポビタンD」などのOTC医薬品、一般用医薬品、医療用医薬品などを製造・販売する。大正製薬 ＨＤは、TOBへの賛同を表明、株主に応募を推奨すると発表した。筆頭株主の上原記念生命科学財団など同社株を合計で約4割持つオーナー家はTOBへの応募契約を結んだ。