株テーマ:アンモニア発電:30年に300万トン導入の関連銘柄
アンモニア関連株。アンモニアは燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンエネルギーとされる。アンモニアと石炭を混ぜて発電に使う技術の実用化も進められており、石炭火力のCO2排出量の削減が期待される。アンモニア水から水素を製造する技術開発も進む。経済産業省はアンモニアの海外調達を強化する方針で、2030年に天然ガスを下回る価格水準での供給を目指す。再生可能エネルギーから取り出す「グリーンアンモニア」の生産能力は、30年ごろに年300万~500万トンになる見込みだが、高コストのため、価格を半分程度に抑える必要がある。経産省の目標は30年の国内消費量が300万トン、50年が3000万トン。
中外炉工業は、化石燃料を使わずアンモニアのみを燃料に安定燃焼させる技術を開発。二酸化炭素の排出を抑えるアンモニア燃料の熱処理炉を開発し、2025年の実用化を目指す。工業用アンモニアバーナーも大阪大学と共同開発中で、日本のエネルギーの17%を消費する工業炉では、再生可能エネルギーの利用が不可欠となる
木村化工機と澤藤電機は、2019年11月に岐阜大学と低濃度アンモニア水から高純度水素を製造し、燃料電池で発電することに成功したと発表している。
住友化学は、水素を運ぶアンモニアの抜本的製法転換に向け触媒開発を目指す方針を明らかにしている。
東京電力と中部電力が出資する国内最大の発電業者「JERA」は、二酸化炭素を排出しないアンモニアを自社生産し、2040年代にアンモニアだけを燃料とする発電設備を稼働させる計画。21年度には石炭とアンモニアの混合燃料の実証実験を開始する。IHIも参画する模様。