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    2026/3/10 06:50
    (9501) 東京電力 HD 600円支持帯の攻防、材料次第で700円回復も視野
    東京電力HDの株価は598円と600円付近まで調整している。2025年11月には939円の高値を付けたが、その後は利益確定売りが優勢となり、2026年1月には550円台まで下落した。直近は反発を試みたものの、再び600円前後での攻防が続いており、現在は調整局面の中にある。

    日足チャートでは5日移動平均線633円、25日移動平均線653円、200日移動平均線642円と、株価は主要な移動平均線をいずれも下回って推移している。短期的には下向きのトレンドが続いているが、200日移動平均線が642円付近に位置していることから、この水準は中長期トレンドの分岐点として意識されやすい。株価がこのラインを回復できれば調整局面の終了を示唆する可能性がある。

    一方、実際の下値支持として機能しているのは600円前後の価格帯だ。この水準には価格帯別出来高の集中帯が形成されており、多くの投資家の取得コストが重なるゾーンとなっている。株価がこの価格帯に接近すると押し目買いが入りやすく、市場では重要な防衛ラインとして認識されている。

    一目均衡表では日足ベースで株価は雲下限付近に位置している。基準線は641円、転換線は644円と、現在の株価とほぼ同じ水準に集まっている。雲上限は650円付近にあり、このラインを上抜けできるかが短期トレンドの焦点となる。株価が650円を回復すればテクニカル面ではトレンド改善のシグナルとなり、買い戻しが入りやすい局面に入る。

    週足チャートで見ると、2025年4月の360円を起点に株価は大きな上昇トレンドを形成し、同年11月には939円まで上昇した。その後は調整局面に入ったが、現在の水準は上昇トレンドに対する押し目圏に近い位置にある。特に600円前後は出来高集中帯と長期トレンドラインが重なるゾーンであり、ここを維持できるかどうかが中期トレンドを左右するポイントとなる。

    業績面では電力価格と原子力政策の影響を大きく受ける構造にある。2026年3月期の会社計画は売上高6.4兆円、営業利益2200億円を見込む一方、特別損失の影響により最終損益は6900億円の赤字となる見通しだ。ただし2027年3月期は営業利益2800億円、最終利益2000億円と黒字転換が予想されており、収益改善期待が株価の支えとなる。資産価値に対する株価水準を示すPBRも依然低水準で、バリュエーション面では割安感が意識されやすい。

    株価シナリオとしては、まず600円の支持帯を維持できるかが最大の焦点となる。この水準が維持されれば調整は徐々に収束し、株価は600円から720円程度のレンジで回復局面に入る可能性がある。特に雲上限にあたる650円を明確に上抜けると、テクニカル的にはトレンド改善が確認され、700円台回復への動きが強まる展開が想定される。

    さらに強い材料が出た場合には上値余地が拡大する可能性もある。市場が注目する材料としては柏崎刈羽原発の再稼働進展、政府の原子力政策の転換、電力需給の逼迫などが挙げられる。これらが材料視されれば株価は720円を突破し、900円近辺までの戻り局面に入るシナリオも視野に入る。

    現状のチャート構造を見ると、600円付近には出来高集中帯が形成され、642円付近には200日移動平均線、650円付近には一目均衡表の雲上限が位置している。複数のテクニカル要因が重なるこのゾーンが、今後の株価方向を決める重要な分岐点となりそうだ。市場の関心は、この支持帯を維持したまま次の上昇局面に入れるかどうかに向かっている。

株式情報更新 (3月9日)


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