注目銘柄

    注目銘柄 2025/11/6 16:53
    (7201) 日産自動車 26年3月期中間決算は最終赤字2219億円 本社売却で特別利益計上へ
    (7201)日産自動車は6日発表した2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)の連結決算で、売上高が前年同期比6.8%減の5兆5787億円、営業損益は277億円の赤字(前年同期は329億円の黒字)となった。米国市場の販売低迷と為替変動によるコスト増が響き、純損益は2219億円の赤字(同192億円の黒字)に転落した。経常損失は779億円で、前年から1940億円悪化した。

    販売金融事業は堅調だったが、自動車事業の損失が拡大。減損損失708億円や特別退職加算金613億円を計上したことも響いた。北米と欧州での販売不振に加え、コスト削減効果が追いつかず、前年に比べ大幅な赤字に陥った。営業外ではデリバティブ損失や金利上昇による支払利息の増加が利益を圧迫した。

    一方で、経営再建計画「Re:Nissan」に沿って資産効率の改善を進めており、11月6日には横浜市の本社ビルを970億円で売却することを決定。譲渡益約739億円を26年3月期に特別利益として計上する見込みだ。売却後もリースバック方式で本社として利用を継続する。

    通期業績見通しは売上高11兆7000億円(前期比7.4%減)、営業損益は2750億円の赤字を据え置いた。最終損益は非開示。財務体質の改善を優先し、2025年9月末時点の中間配当は0円とした。営業キャッシュフローはプラス転換したものの、自動車事業のフリーキャッシュフローは5928億円のマイナスで、資金繰り改善が課題となる。

    市場では、本社売却による一時的な資金確保を評価する声がある一方、北米販売の再建と電動車シフトの遅れを懸念する見方も根強い。再建策「Re:Nissan」の実行力が問われる局面だ。

    本社売却で一時的な特別利益が見込まれるが、米国販売と為替要因で本業は依然厳しい。営業キャッシュフローの改善兆しはあるものの、通期赤字予想と配当見送りが続くため、短期的な株価上昇余地は限定的。構造改革の成果が確認できるまでは慎重姿勢を維持したい。

株式情報更新 (11月7日)


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