注目銘柄

    注目銘柄 2025/11/6 16:41
    (6976) 太陽誘電 26年3月期業績予想を上方修正 AI・車載需要が下支え
    太陽誘電の2026年3月期第2四半期(2025年4~9月期)は、売上高1776億円(前年同期比5.8%増)、営業利益90億円(同19.1%増)、経常利益81億円(同19.9%増)、純利益55億円(同55.3%増)と増収増益だった。主力の積層セラミックコンデンサが自動車およびAIサーバーを含む情報インフラ・産業機器向けに伸び、インダクタも堅調に推移した。一方で、通信用デバイスなどを含む複合デバイス事業は構造改革の影響で減少した。

    地域別では円高が進行したものの、販売価格の下落が緩やかであったことが利益を下支えした。第2四半期単独では売上高928億円(前四半期比9%増)、営業利益59億円(同87%増)と回復基調が鮮明。操業度の改善や原価低減努力が寄与した。

    同社は通期業績予想を上方修正。売上高3475億円(前期比1.8%増)、営業利益180億円(同72.1%増)、経常利益150億円(同42.6%増)、純利益90億円(同286.5%増)を見込む。為替前提を1ドル=148円とし、円安や販売単価改善を織り込んだ。前回(5月公表)予想から営業利益を20億円、純利益を10億円引き上げた。

    財務基盤は堅調で、自己資本比率は54.7%。営業キャッシュフローは前年同期比52%増の256億円を確保し、現金同等物は861億円に拡大した。株主還元では年間配当を90円(中間45円、期末45円)とし、配当性向30%・DOE3.5%の維持を目指す方針を示した。

    中期経営計画「2025」最終年度を迎え、自動車および産業機器分野の売上構成比を50%に高める戦略を継続。高信頼性かつ高付加価値な電子部品の比率を拡大し、AI・EV時代に対応した製品ポートフォリオの強化を進める構えだ。

    主力の積層コンデンサとインダクタ事業が安定成長しており、営業利益率の改善も確認できる。一方で、通信向け複合デバイスの不振や設備投資抑制の影響が残る。足元の上方修正は評価できるが、AI関連需要の波に左右されやすく、株価には織り込み済みの可能性がある。

株式情報更新 (11月7日)


会員ログイン

パスワードを忘れてしまった場合

申込みがまだの方