注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/30 16:04
    (6971) 京セラ 円高吸収し増益確保、半導体関連が業績を支える
    (6971)京セラは2026年3月期第2四半期決算を発表し、売上高9913億円(前年同期比0.7%減)、営業利益419億円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する中間利益555億円(同53.9%増)となった。半導体部品や自動車関連部品が堅調に推移し、AIデータセンター向け有機パッケージの販売拡大が収益を押し上げた。電子部品やソリューション事業は円高の影響で減収となったが、コスト削減や構造改革の効果が利益を補った。

    セグメント別では、コアコンポーネント部門が売上3076億円(前年同期比4.6%増)、事業利益300億円(同76%増)と大幅な増益。電子部品はコンデンサ需要が堅調だったものの、為替影響で減収微益。ソリューション部門は通信機器やプリンティング分野が伸び悩んだが、原価改善により利益を確保した。営業利益率は4.2%と前年同期の3.8%から上昇した。

    通期業績予想は上方修正され、売上高1兆9500億円(前回予想1兆9000億円)、営業利益700億円(同550億円)、最終利益950億円(同705億円)を見込む。為替が想定より円安で推移したことや、米国の関税政策による影響が軽微にとどまったことが寄与した。前期比では営業利益が約2.5倍、最終利益は約4倍に増える見通しだ。

    財務面ではKDDI株式の一部売却により税金費用が減少し、現金残高は前年末比で大幅に増加。自己株式の取得を進めつつも、資本比率は72.4%と堅固な水準を維持している。配当は中間25円、期末25円の年50円を予定し、前期から据え置く方針。研究開発費は通期で1200億円を確保し、次世代パッケージやエネルギー関連技術への投資を強化する。

    市場では、AI関連の需要増を背景に収益基盤が再び拡大に転じた点を好感する声が多い。電子部品事業の再構築が完了し、成長領域への集中投資が業績の底上げに寄与している。円高リスクは残るものの、海外需要と為替環境の改善を追い風に、通期での増益達成が現実味を帯びてきた。

株式情報更新 (10月31日)


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