注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/30 15:46
    (6702) 富士通 中間期で純利益6倍超 ゼネラル売却益で構造改革進展
    (6702)富士通の2026年3月期第2四半期(中間期)決算は、売上収益が前年同期比0.9%増の1兆5665億円、営業利益が同145%増の1053億円、中間純利益が同6.3倍の2620億円と大幅な増益となった。子会社の富士通ゼネラル株式を売却したことによる持分法投資利益400億円が寄与し、最終利益を押し上げた。非継続事業分を含めた中間利益は2656億円に達した。

    主力の「サービスソリューション」分野では、グローバルで展開する「Uvance」を中心に企業のデジタル転換需要を取り込み、収益改善が進んだ。ハードウェア事業は為替の円高影響を受けたが、AIクラウド関連の案件拡大で全体を補った。営業利益率は6.7%と前年の2.8%から大きく上昇している。
    富士通ゼネラルの持分売却により得た現金資産は、データセンタークラウド基盤など収益性の高いデジタル・AI領域への再投資、および株主還元に充当する方針だ。中期経営計画(2023〜2025年度)で掲げる「ポートフォリオ変革」を加速し、成長事業への資本配分を進める。現金及び現金同等物は前年同期末から3,000億円超増加し6,476億円に達した。

    2026年3月期通期の業績予想は、売上収益3兆3,200億円、営業利益2,150億円、純利益1,430億円とし、前回予想からの修正はない。配当も前期比据え置きの予定で、中間配当は1株あたり未定ながら年間ベースでは継続的な還元を維持する構えだ。

    富士通は今後、データ&AIサービスを軸に国内外でのプロフェッショナルサービス拡充を進める。特に金融・製造・小売など基幹業務領域でのデジタル化支援を強化し、グローバル拠点を活用した開発効率化も図る。事業ポートフォリオの刷新が完了に近づく中、利益構造の安定化が進みつつある。

株式情報更新 (10月30日)


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