エヌビディアは、オープンAIに対し最大1000億ドル（約14兆8000億円）を投資すると発表した。オープンAIはこの巨額資金をもとに、少なくとも10ギガワット規模の計算能力を持つ巨大データセンターを建設し、次世代人工知能（AI）モデルの開発と運用に活用する計画だ。

今回の提携は、AI分野で不可欠となっている計算能力の需要拡大を背景にしたものであり、世界的に激化する投資競争を象徴している。特に生成AIモデルの進化には膨大な演算処理が求められることから、エヌビディアの先端GPUを基盤とした大規模インフラ整備が不可欠となっている。

両社は今後数週間以内に提携の詳細を詰める予定で、オープンAIはエヌビディアの半導体を調達してデータセンターを整備する。最初の施設は2026年後半の稼働を目指す。米国ではマイクロソフトやグーグルなど大手が次世代AI基盤整備に巨額投資を進めており、今回の動きはAI産業の競争環境をさらに加速させるものとみられる。

エヌビディアにとっては、自社製品の販売拡大とAI市場での支配的地位を強める契機となり、オープンAIにとっては次世代モデル開発を支える計算基盤を確保する狙いがある。両社の連携は、AI技術の革新を主導する新たな一手となりそうだ。