（9984）ソフトバンクグループが主導する次世代データセンター構想「スターゲート計画」を背景に、米オラクル株が時間外取引で23％急伸し過去最高値を更新した。オラクルは6－8月期決算で残存履行義務（RPO）が4550億ドル（約67兆円）に拡大したことを公表し、OpenAIと大規模データセンター契約を結んだことも強気要因となった。

ソフトバンクグループはAIインフラ需要の拡大を追い風に、投資先の企業価値上昇が連鎖的に波及する構図が意識されやすい。今回のオラクル株急騰は、グループが掲げるAIエコシステム構想の現実味を市場に印象づける効果を持つだろう。短期的にはオラクル急伸に連動する形で思惑買いが入りやすく、株価押し上げ要因となる見通しだ。

一方、ソフトバンクG本体の収益貢献は限定的との冷静な見方もあり、持続的な株価上昇には追加的な投資成果や資産売却による財務改善など具体的な材料が求められる。株価はこれまでNAV（純資産価値）に対して大幅なディスカウントが続いていたが、スターゲート関連の実需顕在化により、投資家の見方が変化する局面に入った。短期的にはオラクル株急騰を材料に思惑的な買いが入りやすく、中期的には生成AI関連テーマの本格化で再度上値を試す展開が見込まれる。