世界でAIデータセンターの建設ラッシュが続いている。生成AIの普及に伴い需要は急拡大しているが、同時に電力消費の増大が深刻な課題となっている。液浸冷却や高効率電源の開発が進むものの、根本的な解決にはAI半導体そのものの電力効率向上が欠かせない。

この分野で最も注目されているのが英アームだ。アームはスマートフォン向けCPU設計で培った省電力技術をAI向けに応用し、効率的な演算処理を可能にする次世代半導体を開発中だ。同社はNVIDIAやインテルのような汎用GPU依存の構図に一石を投じ、演算能力と省電力を両立させる設計思想でAI時代における存在感を強めている。

株価は依然として調整局面にあるが、将来的にAI相場の主役に躍り出る可能性を勘案すれば、現在の水準は買いの好機と捉えている。電力効率という不可避の課題を背景に、アームがAI市場の中核企業へ成長するシナリオは現実味を帯びつつある。