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    エヌビディア、推論AI半導体で大型M&A グロックを200億ドルで買収
    米CNBCは24日、米半導体大手エヌビディアが、人工知能(AI)用半導体開発会社グロックを現金200億ドルで買収することで合意したと報じた。生成AI市場が「学習」から「推論・実装」へ軸足を移す中、エヌビディアが戦略的な一手を打った形だ。

    グロックは推論分野に特化したAI半導体を手掛けるスタートアップで、大規模言語モデルの実行やリアルタイム処理に強みを持つ。独自アーキテクチャにより、低遅延かつ高効率な推論処理を実現しており、データセンターやエンタープライズ用途での採用が進んでいる。従業員規模は数百人とみられるが、設計力とソフトウエア最適化力で存在感を高めてきた。

    同社は2025年9月の資金調達ラウンドで7億5000万ドルを調達し、企業価値は69億ドルと評価された。これは前年8月の28億ドルから2倍以上の急拡大で、推論AI需要の高まりを映したものだ。今回の買収額は直近評価を大きく上回るが、エヌビディアにとっては将来の成長余地を織り込んだ戦略投資といえる。

    エヌビディアはこれまでGPUを軸に学習用途で圧倒的な地位を築いてきた。一方、AIの社会実装が進むにつれ、推論処理の効率化やコスト削減が次の競争軸となっている。グロックの技術を取り込むことで、ハードからソフトまで一貫したAIプラットフォームを構築し、クラウド事業者や企業向け提案力を強化する狙いだ。

    市場では、AI半導体競争が学習中心から推論重視へ移行する象徴的なM&Aとの見方が広がっている。今回の買収は、エヌビディアAIインフラの主導権を長期的に握り続けるための布石となりそうだ。

株式情報更新 (12月27日)


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