（6869）シスメックスが2026年を目標に医療AI（人工知能）事業への本格参入を計画している。これまで同社は検体検査機器を中心にグローバル展開を進めてきたが、長期経営戦略「2033」において、AI・IoTを活用したデジタル医療分野の拡大を成長戦略の柱に位置付けている。

同社は2020年にAI・IoT技術に強みを持つオプティムと合弁でディピューラメディカルソリューションズを設立し、すでに医療現場向けのデジタル連携アプリを展開している。今後は、診断支援や遠隔医療、個別化医療など、AIを活用した新たな医療ソリューションの開発を加速させる方針だ。

医療AI分野は、診断精度の向上や医師の負担軽減、遠隔医療の実現など多様なニーズが拡大しており、国内外の大手IT企業や医療機器メーカーが相次いで参入している。シスメックスは、従来の検査機器ビジネスに加え、AIを活用したデジタルヘルス領域で新たな成長ドライバーを確立する構えだ。

同社は2033年度に売上高1兆円規模を目指しており、医療AI分野への本格参入がその達成に向けた重要な一手となる。