エヌビディアの株価が上昇した。ロイター通信は、同社が2026年2月中旬までに人工知能（AI）半導体の中国向け出荷を始める意向だと報じた。米国の輸出規制が続くなかでも、中国市場への関与を維持する姿勢が評価され、買いが先行した。

同社はこれまで、米政府の規制に対応するため性能を抑えた中国向け製品を投入してきた経緯がある。今回報じられた動きも、規制を順守しつつ巨大市場である中国の需要を取り込む戦略の延長線上に位置付けられる。市場では、AIデータセンター投資が世界的に拡大する中、中国需要の完全な喪失を回避できる点を前向きに捉える声が多い。

業績面では、直近の四半期決算においてデータセンター向けを中心に売上高・利益ともに高水準を維持しており、AI投資ブームの恩恵を引き続き享受している。中国向け出荷が実現すれば、成長ドライバーの多様化につながる可能性がある一方、地政学リスクや規制動向の不透明さは引き続き株価変動要因となりそうだ。