注目銘柄

    注目銘柄 2025/11/21 08:02
    (4005) 住友化学 台湾のプロセスケミカル企業AUECC社を全株取得へ
    (4005)住友化学は、台湾の半導体用プロセスケミカルメーカーである AUECC 社の全株式取得に合意した。関係当局の承認を前提に買収を進め、完了後は台湾で初となる製造拠点、さらに米国・ネバダ州の拠点を新たに手に入れる。これにより、既に進行中のテキサス州での新設工場と合わせ、米国では二つの供給拠点を確保することになる。

    半導体市場は、生成AIIoTの普及、データセンター需要の拡大により世界的な成長が続いている。微細化がさらに進む中、半導体製造の洗浄・乾燥工程で使用されるプロセスケミカルには、pptレベルの超高純度と高度な品質管理が要求されている。住友化学は長年の技術蓄積により高純度化に強みを持ち、グローバル企業として事業を展開してきた。

    AUECC社は台湾・高雄市と米国・ネバダ州に製造拠点を持ち、原料調達から製造、パッケージング、物流まで一貫した供給体制を構築している点が特徴だ。台湾・米国の大手半導体メーカーへの安定供給で高い評価を得ており、住友化学の技術とAUECC社の顧客基盤・供給網が組み合わさることで、シナジー効果が見込まれる。

    住友化学は半導体材料を成長ドライバーに位置付け、2022年から米国での供給体制拡大を進めてきた。今回の買収により、台湾・米国の二極でプロセスケミカルの製造を強化でき、グローバル供給安定性は一段と高まる。加えて、住友化学の高純度化技術をAUECC社に導入することで、生産効率改善や製品ライン拡充が期待される。

    同社は2030年度に半導体用プロセスケミカル事業の売上を2024年度比で約2倍にする目標を掲げている。競争環境が激化する中で、今回の買収は供給体制強化と地域分散に直結する戦略的な一手となる。短期的には投資負担はあるが、中長期の成長確度を高める動きだといえる。

株式情報更新 (11月21日)


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