注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/29 12:19
    (1944) きんでん 上方修正と増配で株価ストップ高 業績・配当とも過去最高水準へ
    きんでん(1944)が急伸している。一時は制限値幅の上限(ストップ高)となる前日比1000円(19.38%)高の6158円を付け、株式分割考慮後の上場来高値を更新した。28日に発表した2026年3月期第2四半期(中間期)決算で、業績が市場予想を大きく上回り、通期見通しと配当予想をそろって上方修正したことが好感された。

    同社の中間期(2025年4〜9月)の連結売上高は前年同期比7.8%増の3213億円、営業利益は147.6%増の318億円、経常利益は138.0%増の341億円、純利益は130.3%増の226億円といずれも過去最高水準となった。電力インフラ工事に加え、工場・物流施設など一般電気工事の受注が堅調に推移。採算性の改善と生産性向上が奏功し、利益率が大幅に改善した。

    通期業績予想も上方修正され、売上高は従来比1.6%増の7420億円、営業利益は同20.9%増の810億円、経常利益は同23.6%増の865億円、純利益は同24.0%増の645億円を見込む。建設関連需要の底堅さに加え、再生可能エネルギーや通信設備投資など成長分野での受注が寄与するとみられる。個別ベースでも営業利益を730億円に引き上げ、前期比39.3%増を計画する。

    株主還元も強化する。中間配当を従来予想の1株50円から60円に引き上げ、期末配当も同額とする方針で、年間配当は120円(前期90円)と3割超の増配となる。自己資本比率は74.6%と財務基盤も極めて健全で、安定したキャッシュフローが還元余力を支えている。

    市場では「電設業界の中でもきんでんは配電・通信・環境分野のバランスが取れており、脱炭素データセンター関連需要の恩恵を受けやすい」との見方が広がる。通期上方修正と増配のダブル材料を受け、株価は一段高を演じた。

    業績の上方修正幅が大きく、営業利益率の改善が顕著。再エネ・情報通信分野への需要が続く限り、収益成長は持続するとみられる。配当利回りも上昇しており、安定配当を重視する中長期投資に適した銘柄だ。

株式情報更新 (10月29日)


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