注目銘柄
2025/10/24 05:48
(3407) 旭化成 川崎にクリーン水素新工場 次世代エネルギー膜で脱炭素加速
構造改革費用で最終減益も、本業堅調 AI・医薬分野が成長軸に
(3407)旭化成は神奈川県川崎市に、クリーン水素製造に用いる電解槽向けの新工場を建設する。投資額は約310億円で、2026年の稼働を目指す。主力製品である水電解用の枠材や高分子電解質膜(PEM)を増産し、世界的に高まる脱炭素需要に応える。CO₂排出を抑えた水素製造を支える装置部材の国産化を進め、欧州や米国企業との競争力を高める狙いだ。
同社の主力事業は多角的で、医薬品や自動体外式除細動器(AED)を展開するヘルスケア事業が堅調。さらに半導体材料分野では、人工知能(AI)向け需要を背景に電子部材の販売が好調に推移している。2026年3月期は売上高3兆1170億円(前期比3%増)、営業利益2,150億円(同2%増)を計画。本業では増益を確保する見通しだ。一方で、アクリル樹脂原料のMMA事業から撤退するなど構造改革費用を織り込み、最終利益は1,250億円(同8%減)と減益を見込む。
財務面では有利子負債を抑え、キャッシュフローも安定。年間配当は前期比2円増の40円とし、株主還元にも積極的な姿勢を示している。脱炭素社会を支える素材供給企業として、エネルギー転換期における存在感を一層強めそうだ。
AI材料やヘルスケアで堅調な本業は評価できるが、MMA撤退に伴う構造改革費用や最終減益見通しが重石。中期的には水素関連の収益貢献が焦点となる
(3407)旭化成は神奈川県川崎市に、クリーン水素製造に用いる電解槽向けの新工場を建設する。投資額は約310億円で、2026年の稼働を目指す。主力製品である水電解用の枠材や高分子電解質膜(PEM)を増産し、世界的に高まる脱炭素需要に応える。CO₂排出を抑えた水素製造を支える装置部材の国産化を進め、欧州や米国企業との競争力を高める狙いだ。
同社の主力事業は多角的で、医薬品や自動体外式除細動器(AED)を展開するヘルスケア事業が堅調。さらに半導体材料分野では、人工知能(AI)向け需要を背景に電子部材の販売が好調に推移している。2026年3月期は売上高3兆1170億円(前期比3%増)、営業利益2,150億円(同2%増)を計画。本業では増益を確保する見通しだ。一方で、アクリル樹脂原料のMMA事業から撤退するなど構造改革費用を織り込み、最終利益は1,250億円(同8%減)と減益を見込む。
財務面では有利子負債を抑え、キャッシュフローも安定。年間配当は前期比2円増の40円とし、株主還元にも積極的な姿勢を示している。脱炭素社会を支える素材供給企業として、エネルギー転換期における存在感を一層強めそうだ。
AI材料やヘルスケアで堅調な本業は評価できるが、MMA撤退に伴う構造改革費用や最終減益見通しが重石。中期的には水素関連の収益貢献が焦点となる

