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    東芝 23年までのパワー半導体成長戦略
    東芝は、会社変革計画「東芝Nextプラン」において、2021年度に売上高3.7兆円・ROE10%、2023年度に売上高4兆円・ROE15%を目指している。

    新規成長分野に集中投資する方針で、リチウムイオン二次電池、パワーエレクトロニクス、精密医療の3点を挙げており、パワー半導体はパワーエレクトロニクスに含まれる。

    富士経済によると、パワーデバイス市場は、2017年の2.7兆円から2030年に4.7兆円に拡大する見通し。動力の電動化で市場が拡大し、特にSiC、GaNの次世代デバイスが大幅に伸長するとみられる。

    東芝は、デバイス技術を競争力の源泉として、モビリティ・産業システム事業を拡大する方針。


    ■パワー半導体関連の主な動き

    ●300mmウエハー対応製造ラインを導入し、生産能力を増強 稼働は23年度上期を予定
    ●SiCモジュール向けパッケージ技術を開発 面積は2割減、信頼性は2倍 21年5月から量産


    東芝のパワー半導体関連の主な動きでは、2021年3月に300mmウエハー対応製造ラインを導入し、生産能力を増強すると発表した。稼働は2023年度上期を予定する。

    自動車の電動化や産業機器の自動化で、今後の需要拡大が見込まれることから生産能力を増強する。

    また、SiCモジュール向けパッケージ技術を開発し、2021年5月下旬から量産。従来のはんだによる接合ではなく、銀焼結による接合を採用し、素子と銅板との接合部の劣化を抑制。また、銀焼結は熱抵抗が小さいため、チップ同士を近づけやすく、パッケージ面積も削。従来技術と比較して、パッケージ面積を約20%削減し、製品信頼性を約2倍に高めた。

    SiCは、現状では鉄道向けを中心に活用され始めているが、今後は再生可能エネルギーシステムや自動車向けにも用途が拡大することから、市場拡大が期待される。

株式情報更新 (4月25日)


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