米マイクロソフト（MSFT）は29日発表した2026年6月期第1四半期（2025年7〜9月）の決算で、売上高が前年同期比18％増の777億ドルと、市場予想（753億ドル）を上回った。生成AI需要を背景にクラウド事業「Azure（アジュール）」が急拡大し、営業利益は同24％増の380億ドルと過去最高を更新した。1株当たり利益（EPS）は4.13ドル（予想3.66ドル）と、収益力の強さを示した。

事業別では、主力のクラウド部門「Intelligent Cloud」の売上高が30.9億ドル（前年同期比28％増）、「Productivity and Business Processes（業務効率化部門）」は33.0億ドル（同17％増）といずれも予想を上回った。Microsoft Cloud全体の売上高は491億ドルに達し、前年同期比26％増。特にAzureおよびその他クラウドサービスは40％増と高い成長を維持した。

企業向けAI導入の本格化が追い風となり、商業残存履行義務（未収益の契約残高）は前年同期比51％増の3920億ドルに拡大。AIモデルを活用した「Copilot」や「365」シリーズの有料利用が急速に進んでいる。設備投資も前年比74％増の349億ドルと積極的で、AIデータセンター拡充に向けた先行投資を強めている。

市場では、急ピッチな投資が短期的な利益圧迫要因となるとの警戒感から、発表後の時間外取引で株価は一時4％下落した。ただ、AIインフラの世界的需要拡大を背景に、中長期の成長期待は依然強い。

生成AIの拡大が業績を押し上げ、Azureを中心に高成長を継続している。高水準の設備投資は収益圧迫要因だが、AIデータセンター需要を先取りする戦略的支出と評価できる。