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2025/10/27 16:37
(6988) 日東電工 上期は減収減益でも通期予想を小幅上方修正 円高逆風とオプトロニクス調整を吸収へ
「配当60円+自己株800億円・一部消却」で株主還元強化、核酸CDMOが下期寄与見込む
(6988)日東電工は2026年3月期上期(4〜9月)の連結売上収益5136億円(前年同期比1.6%減)、営業利益945億円(同13.5%減)、親会社中間利益689億円(同13.8%減)と減収減益だった。主力のオプトロニクスがLCDスマホ向け撤退や工程保護フィルムの値下げで減収・減益。一方、インダストリアルテープはバッテリー固定用電気剥離テープや半導体・セラコン工程材が伸長し、ヒューマンライフは核酸受託製造の増勢で赤字幅を縮小した。為替は対ドル146.4円と円高に振れ、営業利益を約100億円押し下げた。
通期見通しは売上収益9950億円(前期比1.9%減)、営業利益1730億円(同6.8%減)、純利益1260億円(同8.2%減)と据え置き方向ながら、7月時点比で売上+110億円、営業益+30億円へ小幅上方修正。セグメントではインダストリアルテープが微増益、オプトロニクスは減益見込みだが、ライフサイエンスの拡大でヒューマンライフの損失縮小を織り込む。上期の営業キャッシュフローは750億円、フリーキャッシュフローは187億円となった。
株主還元は年60円配(前期比4円増配)を計画し、2〜8月に自己株800億円を取得。さらに10月15日に発行済み株式の約3.98%(2810万株)を消却し、資本効率の改善を進めた。為替逆風やHDD向け光学部材の反動減など短期の重しは残るが、ハイエンド端末前倒し需要や核酸CDMOの大型案件開始で下期の回復余地は確保している。
短期はオプトロニクスの利幅細りと円高感応度が上値を抑える一方、テープの数量増とライフサイエンス事業の伸長、自己株消却によるEPS押し上げが下支えとなる。通期上方修正幅は限定的でバリュエーション再評価には追加の業績モメンタムが必要。次の注目点は光学フィルムの価格安定化と核酸受託の受注パイプ拡大だ。
(6988)日東電工は2026年3月期上期(4〜9月)の連結売上収益5136億円(前年同期比1.6%減)、営業利益945億円(同13.5%減)、親会社中間利益689億円(同13.8%減)と減収減益だった。主力のオプトロニクスがLCDスマホ向け撤退や工程保護フィルムの値下げで減収・減益。一方、インダストリアルテープはバッテリー固定用電気剥離テープや半導体・セラコン工程材が伸長し、ヒューマンライフは核酸受託製造の増勢で赤字幅を縮小した。為替は対ドル146.4円と円高に振れ、営業利益を約100億円押し下げた。
通期見通しは売上収益9950億円(前期比1.9%減)、営業利益1730億円(同6.8%減)、純利益1260億円(同8.2%減)と据え置き方向ながら、7月時点比で売上+110億円、営業益+30億円へ小幅上方修正。セグメントではインダストリアルテープが微増益、オプトロニクスは減益見込みだが、ライフサイエンスの拡大でヒューマンライフの損失縮小を織り込む。上期の営業キャッシュフローは750億円、フリーキャッシュフローは187億円となった。
株主還元は年60円配(前期比4円増配)を計画し、2〜8月に自己株800億円を取得。さらに10月15日に発行済み株式の約3.98%(2810万株)を消却し、資本効率の改善を進めた。為替逆風やHDD向け光学部材の反動減など短期の重しは残るが、ハイエンド端末前倒し需要や核酸CDMOの大型案件開始で下期の回復余地は確保している。
短期はオプトロニクスの利幅細りと円高感応度が上値を抑える一方、テープの数量増とライフサイエンス事業の伸長、自己株消却によるEPS押し上げが下支えとなる。通期上方修正幅は限定的でバリュエーション再評価には追加の業績モメンタムが必要。次の注目点は光学フィルムの価格安定化と核酸受託の受注パイプ拡大だ。

