（2961）日本調理機は22日引け後、2025年9月期の業績見通しを上方修正し、期末配当の増額を発表した。これを受け23日の取引ではストップ高となり、株価は4,790円まで上昇して上場来高値を更新した。

修正後の営業利益見通しは8億4,400万円で、従来計画の4億8,000万円から大幅に引き上げた。一方で前期比では20.2％減の見通しにとどまり、需要回復を織り込みつつも慎重な前提を維持する。背景には、学校給食以外の集団給食分野で想定を上回る受注を獲得したこと、資材価格高騰への対応を進めたことがある。株主還元では期末一括の配当予想を100円から150円へ引き上げた（前期実績160円）。

官公需・学校向け偏重から、病院・高齢者施設、事業所食堂などへの裾野拡大が進めば収益の変動幅は縮小しやすい。原材料価格の落ち着きと価格政策の浸透が進めば、来期以降の利益率回復に弾みがつく構図だ。短期的には高値波乱に注意しつつも、受注の質の改善と増配が評価材料となっている。