注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/10 08:53
    (9983) ファーストリテイリング 過去最高益へ ユニクロ好調で世界2位H&Mに肉薄
    (9983)ファーストリテイリングは2025年8月期、売上高が前期比9.6%増の3兆4005億円、営業利益が同12.6%増の5643億円と、5年連続で過去最高益を更新した。国内ユニクロ事業が堅調に推移し、値引き抑制や在庫効率化が収益を押し上げた。海外事業も欧米や東南アジアで増収を維持し、為替影響を除いても着実に拡大した。

     地域別では、日本でのユニクロ店舗が安定成長を続け、グローバル旗艦店の集客力も高水準を維持。中国は一時的に消費回復の鈍さがみられたが、秋冬商戦では再び客足が戻りつつある。欧米ではユニクロのベーシック路線が定着し、ブランド価値の浸透が進んだ。

     通期予想では、2026年8月期の売上高を3兆7500億円、営業利益を6100億円と見込み、最高益更新を視野に入れる。米国市場ではトランプ前政権時代の関税見直しによるコスト上昇が想定されるものの、調達地を東南アジアへ分散するなどの対応で、業績への影響は下半期の事業利益を1%程度押し下げにとどまる見通しだ。

     また、アジアを中心にスクラップ・アンド・ビルドを進め、店舗の質的転換を加速する。特に中国市場の本格回復が次期業績の焦点となる。1株当たり配当は前期比増配の520円を計画。堅実な財務体質を維持しつつ、成長投資と株主還元の両立を図る。

     売上高3兆4000億円超の規模は、アパレル世界2位のH&M(約3兆7516億円)に肉薄しており、ユニクロが世界トップブランドの座を射程に捉えた格好だ。

株式情報更新 (10月11日)


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