（6504）富士電機は2026年度、米国市場でデータセンター（DC）向け電力機器事業に本格参入する方針を明らかにした。生成AIやDXの進展を背景に、米国のデータセンター投資が活況を呈しており、電力需要の急拡大と安定供給へのニーズが高まっている。特にハイパースケールデータセンター向けには、大容量・高効率・小型化を実現した無停電電源装置（UPS）や変圧器などの高付加価値製品を投入し、現地での設計から据付、保守まで一括対応する体制を整える。

同社は既に国内外で高いシェアを持つが、米国市場では生成AI普及によるデジタル需要増加を成長ドライバーと位置付け、2027年以降の市場拡大も見据えて製品ラインアップの拡充を進める。米国ではアマゾンやマイクロソフトなど大手IT企業がデータセンターへの巨額投資を進めており、電力確保のため原子力発電や再生可能エネルギーの長期契約が相次ぐなど、電力インフラ投資が加速している。

2026年3月期業績予想では、売上高1兆1,400億円、営業利益1,180億円、最終損益810億円を見込む。エネルギー・インダストリー分野が成長を牽引し、営業利益率は10％超を維持する見通しだ。今後は米国DC市場でのプレゼンス拡大と、GX・DX領域での新規事業創出により、グローバル成長を加速させる構えだ。