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    注目銘柄 2025/10/29 06:54
    (9984) ソフトバンクグループ オープンAI再編で生成AI覇権競争再燃 ArmとAnthropicの価値上昇に期待
    米オープンAIが28日に発表した組織再編は、ソフトバンクグループ(SBG)にとって中長期的な追い風となりそうだ。オープンAIは開発資金を集めやすい営利企業を中核に置く形へ再編し、米マイクロソフトが筆頭株主(約27%)として2032年まで提携関係を延長する。評価額は約5000億ドル(約75兆円)とされ、AI市場全体の拡大期待を象徴する動きだ。

    マイクロソフト主導の体制強化は、世界的な生成AI投資熱を再び高める契機となる。これにより、SBG傘下のArm(アーム)や出資先のAnthropic(アンソロピック)など、AI関連銘柄の再評価が進む公算が大きい。特にArmはAIチップ設計で世界シェアの9割を握り、生成AI需要の急拡大によるデータセンター投資増加の恩恵を受ける。オープンAIが高性能AIモデルを開発・提供するほど、Armの省電力CPUやAIアクセラレーター採用が進むとの見方が市場で広がる。

    また、SBGが推進する「Stargate計画」(AIデータセンター網構想)にも追い風となる。生成AIの処理需要は急増しており、電力供給・半導体・通信網の総合整備が不可欠となる。今回の再編は、AIインフラ構築への世界的な投資競争を加速させ、SBGが構想する超大規模データセンター構築に正当性を与える形だ。

    財務面では、Armの株価上昇に伴い保有資産価値(NAV)の改善が期待できる。SBGは9月末時点でArm株を約90%保有しており、同社の時価上昇は連結純資産の押し上げ要因になる。AI関連への再評価が進めば、SBGの投資ポートフォリオ全体の含み益拡大が見込まれる。

    市場では「マイクロソフト主導のAI市場拡大は、Arm・Anthropic・Stargateを抱えるSBGにとって最も理想的な環境を再びつくり出す」との声が多い。短期的な資金流出懸念よりも、AIインフラの本格拡大による資産価値上昇が勝るとみられる。

    マイクロソフトによるオープンAI再編は、AI関連資産の再評価を誘発するポジティブ要因。SBGはArmを通じてAIハード基盤を、Anthropicを通じてAIソフト基盤を押さえており、世界的なAI投資ブームの再拡大局面で最大の受益者候補となる。短期の株価変動に左右されず、中長期でのAI資産価値の再上昇を見込んで買い判断とする。

株式情報更新 (10月28日)


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