米ミシガン大学が24日に発表した10月の消費者景況感指数（確報値）は53.6となり、前月の55.1から低下した。市場予想の55.0を下回り、2カ月連続の悪化となった。高金利環境が長期化する中、消費者の支出姿勢に慎重さが強まっている。

内訳では、現在の暮らし向きを示す現況指数が60.4から58.6へ低下、6カ月先の見通しを示す期待指数も51.7から50.3に悪化した。依然として景況感の水準は新型コロナ禍以後の平均を下回っており、家計の心理が引き締め政策の長期化に圧迫されている実態が示された。

一方、インフレ期待には注目すべき動きがみられた。1年先の期待インフレ率は4.7％から4.6％へ小幅低下したが、5年先は3.7％から3.9％に上昇した。長期的な物価上昇観測が根強く、米連邦準備制度理事会（FRB）の物価安定目標達成には時間を要するとの見方が広がっている。

今回のデータは、住宅ローン金利の高止まりや自動車ローンの負担増が個人消費を圧迫している現状を反映している。米国経済の約7割を占める個人消費に陰りが出れば、第4四半期の成長率鈍化につながる可能性がある。
市場では、FRBが年末まで政策金利を据え置くとの見方が強まる一方で、インフレ圧力が再燃すれば追加引き締め議論が再び浮上するリスクも意識されている。