注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/14 09:11
    (5801) 古河電気工業 HVDCケーブル量産へ1000億円投資 脱炭素データセンター電力網に照準
    (5801)古河電気工業は、千葉県富津市に送電用の海底ケーブル工場を新設すると発表した。投資額は約1000億円で、うち最大307億円を国の補助金で賄う。北海道や九州で発電した再生可能エネルギーを東京圏に送る国内用途に加え、アジアや中東の国境をまたぐ長距離送電案件の受注も狙う。加えて、人工知能(AI)向けに急増するデータセンターの電力需要にも対応する方針だ。

    新工場は2030年の稼働を目指し、海底に敷設する高圧直流送電(HVDC)ケーブルを製造する。HVDCは交流送電に比べて電力損失が少なく、長距離かつ大容量の送電に適しており、再エネ時代の基幹技術として世界的に需要が高まっている。古河電工は500キロボルト級のHVDCケーブルを年間200キロメートル生産できる体制を構築し、国内外の大型案件を取り込む構えだ。

    業績面では、2025年3月期に売上高1兆2017億円(前年同期比13.7%増)、営業利益470億円、純利益333億円を計上した。2026年3月期は売上高1兆2000億円、営業利益530億円、純利益360億円を予想する。通信・エネルギー分野の堅調な需要を背景に増益を見込む。財務基盤も改善し、年間配当は前期比倍増の120円を維持する計画だ。

    HVDC分野では欧州勢が先行するが、古河電工は国内初の大規模生産拠点を武器に国際競争に挑む構え。脱炭素化とAI社会の電力インフラを支える存在として、中長期の収益拡大が期待される。

株式情報更新 (10月14日)


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