注目銘柄

    注目銘柄 2025/5/26 09:03
    (8154) 加賀電子 EMS事業を成長エンジンに据えた中期経営計画を策定
    (8154)加賀電子が、電子機器の製造受託サービス(EMS)を中核成長領域と位置づけ、意欲的な中期経営計画を打ち出した。4月には、世界最小水準となる超小型無線モジュールの量産を開始。商社事業が市況変動に左右されやすいなか、EMS事業の高付加価値化と収益基盤の強化を急ぐ。

    EMS分野は台湾の鴻海精密工業など海外大手がひしめくが、日本勢は「少量多品種」および「高信頼性」を武器にニッチ市場へ攻勢をかける。加賀電子は、2022年に太陽誘電から買収した無線モジュール事業を加賀FEIで量産化。十和田工場に独自設計のクリーンルームを備え、微細チップの実装から洗浄、切断まで自動化し、少人数で一貫生産できる体制を構築した。これにより、ウェアラブル端末やスマートロック、監視カメラなど、少量多品種・高機能基板への需要増に対応し、付加価値を高めている。

    EMS事業は、25年3月期に売上高1,345億円(前期比12%増)と全体の4分の1を占めるまでに成長。28年3月期には7割増の2,300億円を目指す。加賀FEIの小型無線モジュール事業やE2MS(設計・開発から製造まで一貫受託)の売上も今後3年で300億円規模を見込む。加賀電子グループは、国内外10カ国21拠点でグローバル生産体制を敷き、顧客の海外展開にも柔軟に対応する。

    従来の部品商社ビジネスは在庫調整や市況変動の影響を受けやすく、利幅も限定的だが、EMS事業の拡大によって高収益体質への転換を図る。28年3月期にはグループ売上高8,000億円超、営業利益360億円超を掲げ、将来的な1兆円企業への成長を視野に入れている。

株式情報更新 (5月25日)


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