注目銘柄

    注目銘柄 2026/3/16 08:14
    (5706) 三井金属 AI銅箔とレアアース強化が追い風、3万円台固めなら次は一段高

    三井金属鉱業の株価は3万1580円と前日比320円高、上昇率1.02%で引けた。足元で株価を支えているのは、単なる非鉄市況の改善だけではない。2026年3月期は金属価格が想定を上回り金属事業が伸長し、機能性材料事業ではAIサーバー向け高機能銅箔の販売が好調だ。さらに2027年3月期も、AI需要を取り込んだ銅箔事業の拡大により増収増益が見込まれている。加えて、2025年4月に日本イットリウムを完全子会社化してレアマテリアル事業部を新設したことで、レアアースの精錬・分離という川中工程まで押さえる戦略も鮮明になった。市場では資源株という見方よりも、戦略素材株としての再評価が進みやすい局面に入っている。

    業績面でも追い風は明確だ。2026年3月期予想は売上高7500億円・営業利益1170億円・経常利益1200億円・最終利益770億円と一転して増益見通しとなり、2027年3月期は売上高8243億円・営業利益1158億円・経常利益1138億円・最終利益810億円が見込まれている。子会社株式譲渡に伴う特別損失を抱えながらも最終増益を確保する見通しであり、利益の厚みは想定以上に強い。銅箔事業では特殊銅箔VSPの販売量が2025年度から2030年度まで年平均16%成長を見込んでおり、2030年度の利益目標は2025年度比で約2倍だ。AIサーバー需要の拡大が、同社の収益構造をじわりと変え始めている。

    日足では、株価は3月初旬に3万9000円近辺まで急伸した後、いったん過熱を冷ます形で調整に入った。ただ足元は3万円前後で下げ渋り、5日線の急低下に対して25日線が下値を支える構図となっている。価格帯別出来高を見ると、3万円台前半から3万2000円台にかけて厚い売買が集中しており、ここが当面の主戦場だ。短期的にはこのゾーンを維持できるかが最大の焦点で、維持できれば高値圏調整からの再浮上が視野に入る。

    一目均衡表でも、大勢はまだ崩れていない。日足では株価は雲の上にあり、急騰後の反動安をこなしながら基準線近辺で踏みとどまっている。週足でも株価は雲を大きく上回り、13週線・26週線・52週線はいずれも上向きだ。すなわち、足元で起きているのは上昇トレンドの崩壊ではなく、急騰後のスピード調整とみるのが自然だ。信用倍率も直近で2.98倍と極端な過熱には至っておらず、需給面の息苦しさは相対的に小さい。

    メインシナリオとしては、3万円台前半を支持帯にしながら、まず3万2000円台を回復し、次に3万4000円台を試す展開を想定したい。ここを明確に上抜けると、急騰前の高値もみ合い水準を超え、再び3万6000円台が視野に入る。強気シナリオでは、AIサーバー向け銅箔の成長期待とレアアース精製強化が同時に評価され、資源株ではなく戦略素材株としてプレミアムが付けば、3万9000円近辺の高値再挑戦も現実味を帯びる。

    三井金属鉱業は今、金属価格上昇の恩恵を受ける景気敏感株であると同時に、AIと経済安全保障の両テーマを内包する銘柄へと姿を変えつつある。足元の株価は高値修正局面にあるが、その調整が3万円台で収まるなら、次の上昇波動に向けた助走とみる余地は大きい。

株式情報更新 (3月22日)


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