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    米国株反落、中東衝突で原油高・リスクオフ ダウ784ドル安
    米国株式市場は大幅反落した。米国・イスラエルとイランの軍事衝突が続くなか、ホルムズ海峡リスクを意識した原油高が市場心理を冷やし、リスク回避が前面に出た。WTI原油は一時81ドル台と約1年7カ月ぶりの高値を付け、インフレ再燃と金利高止まり観測を通じて株式の上値を抑えた。恐怖指数VIXも上昇し、リスクオフ局面に入った。

    NYダウ平均 47,954.74(-784.67)
    ナスダック 22,748.99(-58.49)

    マクロ環境では、米10年債利回りは4.129%と上昇しており、原油高を起点としたインフレ圧力再燃が意識された。ドル円も157円台で推移し、地政学リスクの長期化を警戒する形で市場の不安定さが増した。株式は金利と原油の同時上昇に弱く、特に景気敏感株や金融株、工業株が売られた。

    セクター別では工業・金融・生活必需品が大きく売られ、ディフェンシブでも逃げ場になり切らなかった。ボーイングは-2.32%、キャタピラーは-3.56%と景気敏感株が急落し、ダウ平均を強く押し下げた。ゴールドマン・サックスは-3.67%、JPモルガンは-2.00%と金融株も大幅安となり、金利上昇局面でも買われない地合いが示された。これは地政学リスクが信用不安や景気鈍化懸念を上回って意識されたことを示唆する。

    生活必需品ではウォルマートが-3.52%、P&Gが-2.76%と大きく下落し、典型的なディフェンシブにも売りが及んだ。医薬品も弱く、メルクは-3.51%、アムジェンは-3.06%、ジョンソン・エンド・ジョンソンは-2.32%と2%超下落銘柄が目立った。地政学ショックの局面ではキャッシュ化が優先され、広範な売りになりやすい。

    一方でハイテクはまちまちだ。エヌビディアは+0.17%と小幅高を維持し、半導体指数は下落したものの下げ幅は限定的だった。マイクロソフトは+1.34%と逆行高で、クラウド需要の強さが支えになった。アマゾンは+0.98%と堅調に推移し、マグニフィセントセブン内でも値動きの差が拡大した。アップルは-0.85%と軟調で、金利高とリスクオフの影響を受けやすかった。

    注目材料として、半導体のブロードコムは四半期決算と見通しが市場予想を上回り、27年のAI半導体売上高が1000億ドルを超えるとの見通しを示した。AI投資の長期トレンドを裏付ける材料であり、本来ならナスダックの支えとなるが、この日は地政学リスクの波が強く、相場全体を反転させるまでには至らなかった。それでも半導体株の下げ止まりに一定の効果を与え、ナスダックの下落が限定的だった要因の一つといえる。

    市場の構造は明確だ。中東衝突の長期化観測が原油高を通じてインフレ再燃懸念を強め、米金利の高止まりを促す。これが株式のバリュエーションを圧縮し、景気敏感株から売りが出る。さらにリスク回避が強まると、ディフェンシブにも売りが波及しやすい。今回のダウの急落は、この連鎖が一気に進んだ結果といえる。

    ダウ構成銘柄で指数へのマイナス寄与が最大となったのはゴールドマン・サックスだ。株価水準が高く、-3.67%という下落がダウ平均の押し下げに直結した。金融株全体の下落とあわせて、投資家がリスク資産からの退避を急いだことを象徴している。2%超下落したダウ銘柄はゴールドマンのほか、ボーイング、キャタピラー、メルク、スリーエム、アムジェン、シャーウィン・ウィリアムズ、ウォルマート、ホーム・デポ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ハネウェル、P&Gと多数に及び、売りの広がりが際立った。

    翌営業日の焦点は二つだ。第一に原油が再び80ドル台を定着させるか。第二に金利が4%台でさらに上振れるか。原油高と金利高が同時進行する局面では株式の反発力は弱く、AI好材料があっても指数全体は戻りにくい。中東情勢のヘッドライン次第で、ボラティリティの高い相場が続く可能性が高い。

株式情報更新 (3月7日)


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