注目銘柄

    注目銘柄 2025/11/13 16:10
    (4004) レゾナック HD 構造改革費用が重荷 半導体材料は堅調維持で通期計画は据え置き
    (4004)レゾナック・ホールディングスの2025年12月期第3四半期累計(1〜9月)は、売上収益が9862億円(前年同期比4%減)、営業利益が215億円(75%減)、最終利益は60億円(91%減)となった。固定資産売却益があった前期から一転し、複数事業の譲渡決定に伴う大規模減損損失を計上したことが響いた。営業段階では非経常損益を除いたコア営業利益が728億円(6%増)となり、半導体関連の回復が全体を下支えした。

    事業別では、半導体・電子材料が好調だった。AI需要を背景に後工程材料が伸び、データセンター向けHDメディアの数量増も寄与し、同セグメントのコア営業利益は740億円(40%増)となった。四半期ベースでは7〜9月期のコア営業利益が315億円と過去最高を記録し、EBITDAマージンも31%台に乗せるなど収益性改善が鮮明になった。

    一方、ケミカルは黒鉛電極の市況悪化と在庫評価の悪化が重なり、コア営業利益は74億円の赤字へ転落。クラサスケミカル(石化)もナフサ安と在庫受払差悪化が響き減益となった。モビリティは主要品の事業譲渡と国内需要減で減収減益だった。

    財務面では、総資産2兆0696億円、有利子負債9871億円。ネットDEレシオは0.98倍へ上昇し、減損の影響もあり親会社所有者帰属持分比率は31.2%となった。キャッシュは2162億円で前年末から減少している。

    同社は2025年12月期通期見通しを据え置き、売上高1兆4220億円、営業利益490億円、最終利益260億円を計画する。四半期の半導体材料の伸びを踏まえると上振れ余地は残るが、グラファイト事業の低迷が長引くと利益押し下げ要因となる。市場では半導体市況の持続性と構造改革の収益反映時期を注視している。

    半導体材料は高い成長力を示しており、短期的には好調が続く可能性が高い。一方で、減損費用や石化・グラファイトの不振が利益構造を圧迫しており、全社収益の底上げには時間を要する見通しだ。

株式情報更新 (11月13日)


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