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    AI需要を追い風に好調維持 アームが強気の売上高見通し
    データセンター向け設計が急伸、Neoverse売上2倍に

    アーム・ホールディングスが5日発表した2025年7〜9月期決算(第2四半期)は、売上高が前年同期比34%増の11億4000万ドル、調整後1株利益は0.39ドルだった。いずれも市場予想(売上高10億6000万ドル、利益0.33ドル)を上回った。ロイヤルティ収入は6億2000万ドル、ライセンス収入は5億1500万ドルとともに好調で、粗利益率も98%超と高水準を維持した。

    続く10〜12月期(第3四半期)は売上高11億8000万〜12億8000万ドル、1株利益0.37〜0.45ドルを見込む。市場予想(売上高11億ドル、利益0.35ドル)を上回る強気の見通しで、AI(人工知能)関連のデータセンター向け需要が業績を押し上げている。発表後、同社の米国預託証券(ADR)は時間外取引で一時約5%上昇した。

    レネ・ハース最高経営責任者(CEO)は「テクノロジー全体にわたり強い需要が続き、特にデータセンター分野で顕著だ」と述べた。サーバー向けプロセッサ「Neoverse」シリーズの売上は前年同期比で2倍に伸びたという。アームは従来の回路設計ライセンス企業から、より包括的なチップ設計を提供する「Compute Subsystems(CSS)」などの製品群へと転換を進めており、高いロイヤルティを生む新たな収益基盤を確立しつつある。

    一方で、事業構造の変革には大規模な開発投資を要し、利益率を圧迫する懸念も残る。顧客と競合する場面も増え、クアルコムとの法的紛争も継続中だ。それでも市場では「AIコンピューティング時代の中核知財企業」としての評価が高まっている。

    AIデータセンター分野での採用拡大が明確であり、売上高・利益ともに市場予想を上回る実績を示した。粗利益率の高さと強気ガイダンスから、アームの知財モデルはAIシフトの恩恵を受ける構造にある。短期的な開発費負担はあるが、中期的には高収益成長が続くと見られ、「買い」判断が妥当だ。

株式情報更新 (11月6日)


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