注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/31 15:49
    (6526) ソシオネクスト 2026年3月期中間決算 通期売上高を上方修正も利益は大幅減
    【構造改革期の踊り場、AI・車載SoC量産に向け先行投資続く】

    (6526)ソシオネクストの2026年3月期第2四半期(2025年4〜9月)は、売上高872億円(前年同期比12.1%減)、営業利益38億円(同75.8%減)、経常利益28億円(同80.9%減)、純利益21億円(同82.2%減)と大幅な減益となった。中国通信機器向け需要減少や新製品量産初期のコスト上昇が響いた。

    主力の製品売上は703億円(同12.0%減)、開発受託(NRE)売上も164億円(同12.4%減)と減少した。営業利益率は4%台に低下。新製品の量産開始に伴う製造原価率の上昇と、Arm・TSMC・imecと連携した2nm以下やチップレット技術の先行開発費増が重荷となった。
    財務面では自己株取得(50億円)や配当支払の影響で純資産は1299億円(自己資本比率77.3%)とやや減少した。現金同等物は456億円と前期末比271億円減少した。

    通期見通しは売上高を1750億円から1900億円に上方修正した一方、営業利益を140億円から100億円、純利益を105億円から67億円に下方修正した。量産増加による原価率悪化や開発投資拡大が要因で、為替前提は1ドル=130円。配当は年間50円を据え置く。

    同社は「Solution SoC」モデルによる大口案件の開発が進行中で、データセンター・車載・スマートデバイス分野を重点とする。足元では構造改革の踊り場にあるが、次世代半導体の量産寄与が見込める2026年度以降の収益回復に期待がかかる。

    売上見通し上方修正はポジティブだが、利益率悪化と先行開発費増が当面の重荷。AI・車載SoC需要の具体的な量産化タイミングを見極める局面で、短期的には株価急伸後の反動に注意が必要だ。

株式情報更新 (11月4日)


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