注目銘柄

    注目銘柄 2025/10/29 05:31
    (6305) 日立建機 26年3月期業績予想を上方修正 欧州・日本の需要堅調で純利益9%減へ
    【新ブランド「LANDCROS」で次の100年へ 26年3月期は利益確保を維持】

    (6305)日立建機は28日、2026年3月期(25年度)の連結業績予想を上方修正した。売上収益を従来比200億円増の1兆3,200億円(前期比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期利益を1,000億円増の740億円(同9.1%減)と見込む。欧州や日本での需要が想定を上回ったことや、油圧ショベルを中心とする販売の堅調さが寄与した。営業段階では円高や製品構成の影響で減益ながら、第1四半期に比べ回復基調にある。

    中間期(25年4〜9月)は売上収益6,540億円(前年同期比1.8%減)、調整後営業利益601億円(同15.7%減)と減収減益だったが、最終利益は3割近い増益の377億円を確保。欧州や北米独自展開事業での販売が堅調だったほか、為替影響を除けば実質では増収となった。地域別では欧州が18%増、日本も小幅増となる一方、オセアニアや中南米で減少した。

    セグメント別では、建設機械事業が売上5,885億円(同2.9%減)、調整後営業利益545億円(同15.2%減)と減益。一方、部品サービスを手掛けるスペシャライズド・パーツ・サービス事業は、米国Brake Supply社の買収効果で売上701億円(同8.8%増)と伸びたが、競争激化で利益は減少した。

    通期見通しの修正は、米国関税政策のリスクを織り込みつつも、欧州や日本の需要が堅調に推移しているため。今後も販売価格引き上げなどでコスト増を吸収する見込みだ。年間配当は前期と同じ175円を維持する方針。

    また同社は、2027年4月1日付で社名を「ランドクロス株式会社(英:LANDCROS Corporation)」に変更する計画を発表した。AI・ロボティクス・通信技術を融合した次世代建設機械とデジタルソリューションを柱とし、従来のハード中心の事業から脱却する。社長の先崎正文氏は「お客さまと共に新しい価値を創造する革新的ブランドとして次の100年を築く」と述べた。

    欧州・日本の需要底堅さで業績は下期回復が期待されるが、為替の円高や米国関税リスクが利益を圧迫。ブランド刷新を控えた転換期にあり、中期的な成長戦略の実行がカギとなる。

株式情報更新 (11月3日)


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